読書記録『「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる 「繊細さん」の本』1章

概要

自己肯定感つながりで、近い本として繊細な人向けの本を見つけたので、そちらについてまとめる。 1章で診断やら、全体の方向性が分かるので、こちらを参考にしたい。

こちらの本は、HSP(Highly Sensitive Person)、生まれつき刺激に敏感で、周りからの刺激を過度に受け取ってしまう人を対象に書いている。

内容

「繊細でストレスを感じやすい人が、繊細な感性を大切にしたまま、楽に生きる方法」を書いた本

こんなあなたは繊細さん

以下の心当たりがないか確認

「職場で機嫌の悪い人がいると気になる」 「人と長時間一緒にいると、疲れてしまう」 「小さなミスに気づいて仕事に時間がかかる」

繊細さんは5人に一人存在

生まれつき、いろんなことに気づく性質。

方針としては「気づかないようにする」のではなく、気づいたことにどう対処するか。

自分の外側にあるものにも、内側にあるものにもよく気づく。

繊細さんは、よく気づくけど、いいものだけではなく嫌なことにも気づく。だから、良いものに気づくようにしたい。 しかし、ストレスが多い状態だと、いいものに気づけなくなってしまう。

だから、良いものを感じるために自分の環境を自分で決めていくとよい。職場、仕事、友達、家など。

自分が繊細さんかどうかは、アーロン博士の作ったこちらの診断で判断する

  • 自分をとりまく環境の微妙な変化によく気づくほうだ
  • 他人の気分に左右される
  • 痛みにとても敏感である
  • 忙しい日々が続くと、ベッドや暗い部屋などプライバシーが得られ、刺激から逃れられる場所にひきこもりたくなる
  • カフェインに敏感に反応する
  • 明るい光や、強い匂い、ざらざらした布地、サイレンの音などに圧倒されやすい
  • 豊かな想像力を持ち、空想に 耽りやすい
  • 騒音に悩まされやすい
  • 美術や音楽に深く心動かされる
  • とても良心的である
  • すぐにびっくりする(仰天する)
  • 短期間にたくさんのことをしなければならないとき、混乱してしまう
  • 人が何かで不快な思いをしているとき、どうすれば快適になるかすぐに気づく(たとえば電灯の明るさを調節したり、席を替えるなど)
  • 一度にたくさんのことを頼まれるのがイヤだ
  • ミスをしたり物を忘れたりしないようにいつも気をつける
  • 暴力的な映画やテレビ番組は見ないようにしている
  • あまりにもたくさんのことが自分のまわりで起こっていると、不快になり神経が高ぶる
  • 空腹になると、集中できないとか気分が悪くなるといった強い反応が起こる
  • 生活に変化があると混乱する
  • デリケートな香りや味、音、音楽などを好む
  • 動揺するような状況を避けることを、普段の生活で最優先している
  • 仕事をするとき、競争させられたり、観察されていると、緊張し、いつもの実力を発揮できなくなる
  • 子供の頃、親や教師は自分のことを「敏感だ」とか「内気だ」と思っていた

以上引用。12個以上当てはまると繊細さん(HSP)

繊細さんは、人といると疲れてしまうことがある。 表情、仕草、声のトーン、話の内容など、他の人よりも多くの情報を受け取る分つかれてしまうこともある。 そんなときは、一人でゆっくりすごすのがよい。

繊細さんは、非繊細さんよりも仕事が遅く感じてしまうことがある。 それは、非繊細さんが気づかない多くのリクスに気づくことができるから、そのリスクを避けようとすると他の人よりも時間がかかってしまう。ベストな状態が分かるから、動けなくなってしまう。そんなときは「とりあえず」やろうと動くと良い。

自分の意見が無いと言われることがある。 これは、いろんな状況を加味して一番良いもの、相手の欲しがっているものを渡そうとすると、答えるまでに時間がかかってしまって黙ることになる。 そこで、「意見がない」などのフィードバックを貰っても、意見がないわけでなはないから気にしなくても良い。 そんなときは、100%の正解でなくても意見を言ってみると良い。

繊細さんは、気づいたことに半自動的に反応する。だから、自分の意見よりも他人の意見を優先してしまうことがある。 自分はアーティストになりたいけど、親が安定した仕事についてほしいと考えているからと思って、安定した仕事しか選択肢に上がってこなくなってしまう。いつの間にか親の考えが自分に反映されてしまう。 そんなときは、一度踏みとどまって「自分はどうしたいんだっけ?」と自分に問いかけて対応するかどうか、方法はどうするかを自分で決める。

自分の「こうしたい」という本音を大事にすると、楽になり元気に生きられるように人生が変わる。 自分を作り変えるのではなく、自分のままで生きる道を模索する。

伝え方

最初に、あなたの努力が足りないわけでも、わがままなわけでも、能力がないわけでもなく、そういう性質だということを説明する。だから、それを上手く活かす生き方をしようねと伝える。

  • 無意識のうちに作り出している枠組みを教える。
  • それが元でどんな事が起きるか説明。
  • その枠組みを封印するための枠組みを提供。
  • 過去にどうなったか、どんな人が居たかを説明。

理性で押さえ込んで不幸になることを防ぐ 世間で言われることに振り回されている事を減らす。

「●●でいいんだよ。」「じつは、●●なんだよ。」

困ってた事に対して、「実はこういう理由があるからなんだよ」と伝えるから意味が大きい。

電話を取らないなど、すぐに少しだけ試して見れることを伝えることもある。

自己肯定感に関係する用語の調査

モチベーションの12の理論を元に自己肯定感に関係しそうな理論について調査した。

ここで得た知識を元に本屋にいくと、以前は見つけられなかった以下の本に出会えた。今後は以下の書籍のまとめを作りたい。

自己肯定感と自尊心

自己肯定感も、自尊心も英語で表すとself-esteemとなる。

自尊心はは、”自分の人格を大切にする気持ち。また、自分の思想や言動などに自信をもち、他からの干渉を排除する態度”とされている。 デジタル大辞泉

自分の人格を大切にする気持ちの部分は、自己肯定感と近い。干渉を排除する気持ちの部分は異なるため、自尊心の方が範囲が広いのではないか。

自己効力感 モチベーションの12の理論から抜粋

自己効力感は、英語でself-efficacyとなる。 ”自己の能力への確信の程度、信頼度のことを指す” モチベーションを学ぶ12の理論 p254

自己効力感が強いと、人は困難な状況や難問を、乗り越えるべき試練、挑戦すべきものとして捉える。 課題遂行のための努力や時間をどの程度投資するのかにも影響を与える。

禁煙をすれば健康に良いということが分かっていても行動できない場合、何をすべきかは分かっているが自分にはうまくできそうにない、と思ってしまう。これは、自己効力感が低いから起きている。

行動をしたら結果が起こると考える「結果期待」は満たされているが、自分が行動できると考える「効力期待」が満たされていないと、行動を起こさないから結果に結びつかない。 セルフ・エフィカシーは、この2つの期待を含んでいる。

セルフ・エフィカシーは4つの形成要因がある。自分で決めた行動を達成し成功した経験である達成体験(行為的情報)。セルフ・エフィカシーの形成・変容過程で、最も効果がある。逆に失敗体験はセルフ・エフィカシーが下がる。困難に打ち勝った成功体験が効果がある。

自分以外の他者が成功したり達成するところを観察する代理経験(代理的情報)。「これなら自分にもできる」と考えられる。他者が自分と類似点が多ければ大きいほど、効果が大きい。

他者から能力があることや達成の可能性が高いことを繰り返し言語で説得される社会的説得(言語的説得の情報)。説得者の権威や信憑性に関係するが、最も手軽な手法。社会的説得のみによって高められた自己効力感は、消失しやすい。暗示や自己教示を補助的に使って、達成体験や代理経験を用いる。臨床現場では認知の置き換え(リフレーミング)として応用されている。

肯定的な気分で高まり落胆した気分で下がる生理的・情緒的喚起(生理的喚起の情報)臨床の現場では、イメージエクスポージャ、象徴的奪脱感法、筋弛緩法などが使われている。

能力を持っているとしても、自信を過小評価していると、低い目標を設定し、目標を簡単に諦める。

自尊心も自己効力感も、正確に見るよりも楽観的に見るほうが建設的。 実はうつ病患者の方が現実を正しく反映していた。

グラハムやワイナーといった動機づけ研究者も、自己効力感が最も確かな行動予測変数だとしている。

自尊心と自己効力感

  • 自尊心:自分自身の価値に関する感覚
  • 自己効力感:ある目標を達成するための能力が自分にあると思う感覚

自分が価値を見いだせないものに関してできなくても自尊心は傷つかないが、自己効力感は下がる。逆に、何かをうまくできたとしても、それに価値を見いだせなければ、自尊心が上がることもない。

何かの目標達成については、自己効力感の方が予測に向いている。

カウンセリングと心理療法の基礎のメモ

臨床心理学の代表的な理論モデル

精神分析療法

乳幼児期の体験から、無意識に抑圧された結果として症状が起きるので、 無意識の抑制の解除と精神葛藤の意識化を目的とする。

分析心理学

意識と無意識のバランスが崩れることが問題。 無意識の深層を意識的に統合する。

クライエント中心療法

人はみな成長と自己実現を求めるので、そうでない場合は心理的な不健康。 潜在力と主体能力を尊重する。

行動療法

行動は学習の原理に従って特定の状況のもと学習された反応。なので、学習訓練手続きを用いて好ましい行動を形成するようにする。

認知行動療法

人は「刺激、認知過程、反応」の認知過程で情報処理し行動する。心理障害になると、認知過程の認知の歪みが起きる。認知の歪みの修正する。

家族療法

心理障害を個人ではなく家族システムとしてとらえる。システム全体に変化させる。

コミュニティ心理学

人の行動は、社会的物理的環境と相互作用の中で成り立つ。なので、個人の心的内面や行動のみではなく、人と環境の両面に働きかける。

その他

理論モデルや技法の効果に対する影響は10パーセント程度 p178

心理療法の効果のある場所

40パーセントの要因は、カウンセリング外要因。重篤度、慢性度、楽観主義、カウンセリングの動機付け、ソーシャルネットワークの有無など。

30パーセントの要因は、クライアントとカウンセラーの援助関係。

26パーセントは作業同盟の質。

アプローチの差は比較的影響が小さい。

読書記録『自己肯定感、持っていますか? あなたの世界をガラリと変える、たった一つの方法』

自己肯定感の向上のためについて調べるべく、 自己肯定感、持っていますか? あなたの世界をガラリと変える、たったひとつの方法 大和出版 を読んだので簡単にまとめる。

こちらの書籍の著者は、精神科の専門医指導医が執筆されているということで、本屋で10冊程度調べた中では、信頼できる内容だと判断した。 自己肯定感に関する書籍は、カウンセラーという肩書の方が執筆されていることも多く、精神医学を学んでいる方が書かれているのは比較的信頼しやすい。

数ある心理療法の中でも、対人関係療法という手法を活用している。 日本では、対人関係療法は、こちらの先生がほとんどの本を出している。海外でも研究されている方がおり、H.S.サリヴァン「精神医学は対人関係論である」という書籍もある。

本の内容メモ

自己肯定感が低い人に起こること

自分にはどうせ無理だ、と思って新しいことを始められない。

「自分がどうしたいか」ではなく、「相手はどうしてほしいのか」「どうすべきか」を考えて振り回されたり、大変な思いをしてしまう。

頑張りが足りない、我慢がたりないと、自分を追い込んでしまう。 誰でも辛いことには耐えていると、現状を改善しない。

隣の人が話しかけてくるのがじゃまになる。 聞かなければいい、相手をしなければいいと考えられない。相手中心で考えている。

自分の思っていることをわかってくれないことに腹が立つ。 自分を肯定していない人ほど、周りの人に気持ちを読んでほしがる。

周りの人の機嫌が悪かったときに、自分に原因があるのでは?と思う。 不要にストレスを感じてしまう。

周りから傲慢だと思われない、嫌われないために自分をあまり肯定せずにいる。 傲慢より謙遜でいたい。自分を低く考えておけば失礼がないだろう。 ・「自分なんて、全然大したコード書ける人間じゃないんです(部署内では一番技術力が高いけど)」

褒められるのが苦手で、褒められると、そんなこと無いよって言ってしまう。 自分で自分の良さを認めているように感じて申し訳ない。 ・例えば、「〇〇さんのコミットの分割はとてもわかり易いよね」→「いやいや、そんなことないです」

自己肯定感が低いと、こんな自分を好きになってくれたと相手をよく確認しないから、変な人を受け入れてしまう。

どうせ自分なんてと、自虐的、ネガティブな発言をしてしまう。

誰かと意見が対立したときに、向こうの言い分が分かると言われると腹が立つ。 正しい考えという絶対的なものがあり、それ以外は間違えたもの。

自分では気づけないもの

注意をされても自己正当化をして非を認めない。認められない。

相手からすると、過剰な感謝、過剰な謝罪をしてしまう。

法則

決めつけが強いほど、自己肯定感が下がる

自分の言動を否定されながら育った人は、多様な意見を受け入れづらい。

解決方法

人に対して尊重する。敬意を払う。

なにか能力があることに対して尊敬するのではない。 何かの条件があるから、尊敬するのではなく、無条件に敬意を払う。

なぜなら、自分から見ると駄目な行動をしていても、その人にはその人なりの事情があるから。 なにかの理由で頑張れなくなっている、何かの理由で偉そうにしているかもしれない。

相手に条件を付けず、相手を評価しないようにする。

相手に対して不快感をもったときには「なにか事情があるんだろうな」

自分を好きになりたいということは、今の自分が好きではないということ。 だから、ありのままの自分を受け入れるようにする。 自分の好きなところ探しをするわけではない。

自分より人に対してのほうが寛容になりやすい。だから、人をリスペクトするところから始める。

自分にダメだと思うのではなく、大変だったねと思うようにする。

自己肯定感が低いとやりたいことを挙げられない。 無理だとか、変なんじゃないかと思ってしまう。なにかをしたいって思えなくなる。 「〜すべき」と考えるようになる。「〜すべき」は他人にも要求するようになる。

自分の嫌いなところに向き合う。 好きなところを探すのは条件付きリスペクト 嫌いなところを探すと、ハンディがあるのに頑張ってる自分を見つけられる。 恵まれれない環境で育った自分を認めてあげる。 誰だって恵まれれない環境でと考えても、あまり得をしない。

人とつながりを作ると良い。 嫌われないように振る舞うこと、相手を束縛することは偽のつながり。 あまり合わないけど、心から信頼できる友達をつくる。(対人関係療法

対人関係に問題がないと思う人にも、対人関係両方は有用。 対人関係に問題がないと思う場合、自分を抑えて、相手に合わせている場合がある。その場合は、心の病に陥る可能性がある。

人に対して自分を偽らないといけないのは、相手へのリスペクトが不足しているから。

治療者は、自己肯定感の代わりをする役割。 自己肯定感できない人のありのままを受け入れ、一緒に前向きな変化を起こしていく。 患者に症状なのだから仕方ないと受け入れてもらうのも、ありのままを受け入れてもらうことになる。

本当の気持ちを伝えることは、とても大きなハードルがあるので治療者がフォローする。 「伝えてみたら受け入れられた」という体験が、大きなエネルギーにつながる。

感想

心理学的な検査をするときに使われる尺度を用いて自分を計測すると、ほとんど必ず自己肯定感が高いと判断できる。 しかし、こちらの書籍の自己肯定感の低い人の特徴としては、ある程度当てはまっていた。

こちらの書籍の内容が正しいとすると、自分が使っていた尺度では、計測が不十分とも感じた。

主観的には、自己肯定感として正しいかどうかはおいといて、こちらの書籍に書いてある考え方をできた方が生きやすくなるのではないかと思った。

今後

心理療法についてはほとんど知らないため、こちらを読んで勉強する予定である。

対人関係療法について、水島先生以外方があまり本を出していないのも気になったため。

カウンセリング・心理療法の基礎―カウンセラー・セラピストを目指す人のために (有斐閣アルマ) https://amzn.to/2CB23nt

よくわかる臨床心理学 (やわらかアカデミズム・わかるシリーズ) https://amzn.to/2CxEFY0

子供の自己肯定感に影響を与える要因について調べて考えたこと

子供の自己肯定感に影響を与える要因について調査した研究があったため、簡単に紹介する。 今回は、子どもの自己肯定感に及ぼす影響要因に関する実証研究 : 京都子ども調査をもとに An Empirical Study on Influencing Factors of Self-affirmation of the Child : Based on the "Children's Survey in Kyoto”を参考にする。

性別、経済的要因、関係要因が影響を与えるとのことだが、もう少し細かく説明すると、女子と男子では影響を与える要因が違っていた。 女子は「親への信頼」がほとんどの影響を占めているのにたいして、男子の場合は「親への信頼、親の学業干渉、学校生活 享受感、学業満足度、友人の多さ」など、多くの要因が影響をしている。

詳細

自己肯定感の尺度

今回、自己肯定感自体を計測する指標としては、以下の項目で確認をしている。 解答選択肢 「当てはまる、やや当てはまる、どちらともいえない、あまり当てはまらない、当てはまらない」

  • 今の自分に満足している
  • 自分には、人に負けない得意分野がある
  • 自分でも人の役に立てることがあると思う
  • 自分は駄目な人間だと思うことがある
  • 自分の性格で嫌だと思うこと多い

要因として、影響が大きかった項目の確認内容を紹介する

解答選択肢 「当てはまる、やや当てはまる、どちらともいえない、あまり当てはまらない、当てはまらない」

【親への信頼】

  • 親を尊敬している
  • 親は自分の意見をよく理解してくれている
  • 親は自分を大事にしてくれていると思う
  • 親とよく話をする

【親の学業干渉】

  • 成績のことでよく怒られる
  • 親が口うるさくて嫌になることがある
  • 親は自分を必ず大学に行かせたいと思っている

【学校生活 享受感】

  • 学校に行きたくないと思うことがある(R)
  • 自分の居場所が無いと感じることがある(R)
  • 学校は楽しい

【学業満足度】

  • 成績はいいほうだ
  • 授業が難しくてついていけないことがある(R)

【友人の多さ】

  • 同じ学校の友人 「たくさんいる、まあまあいる、あまりいない、全くいない」
  • 違う学校の友人 「たくさんいる、まあまあいる、あまりいない、全くいない」

感想

男女によって大きく結果が異なるのは、想像していなかった。 自分の場合は男なので、多くの指標がある方しか実感はないので、そちらについて考えていきたい。

男の子からすると、自分の能力を示す値として計測しやすいのが学力だから、学業満足があるのだろう。 学校生活に関しては、学業成績によって入れる学校も変わってくるし文化も変わるため、こちらも学業成績の影響を受けるのではないかと思う。 振り返ってみると、自分の自己肯定感は成績にかなり影響を受けていた実感がある。

大学生くらいになると、他の能力の軸も自分の中で持てていたため、学業成績からの影響を受けづらかったのかもしれない。 さらに、大学だと成績順が分からないこともあり、成績の影響が小さくなったのかもしれない。

また、自分と周りに聞いた反応から、考えたのは成績がいい悪いというより、自分ができると思えるか、できないと思うか、である。 というのは、「勉強したのにできなかった」という感情と、「勉強してないから、できなかった」という感情では、 成績がどの程度自分の能力に帰属していると思うかが異なる。 なので、成績が良かった悪かったと思っているかどうか以上に、能力があると思っていたかどうかの方が影響があるのではないかと思った。

親との関係についても、当たり前かもしれないが、どのくらい関与してきたかの事実ではなく、 親から関与してきたことがどのくらい嫌だと感じるかを確認していて、事実ではなく解釈を確認している。 ということは、親として接するときには、子供のためになると思わせることで、成績へ関与しても自己肯定感を下げる要因にはなりづらくなるのではないか。

また、子供時代のことを思い出すと、親が大事にしてくれていると思うことはあるが、その当時に大事だと感じることは少ないんじゃないかとも感じる。足りない、うるさいなど、ネガティブな感情については認知しやすいが、大事にしてくれた、嬉しいことをしてくれたことに関しては、認知しづらい。 これに関して、親の立場から強化するのであれば、第三者から親の接し方にポジティブな評価をしてもらったり、するのではないか。 自分の人生を振り返って、親からしてもらったことを振り返る内観では、こういったありがたいことを改めて振り返ることで、ポジティブな評価を引き出すのではないだろうか。

動機づけのためのショートストーリーが胡散臭く感じてしまう理由を説得の心理学から考える

教材や商材などには、その商品の効果を簡単に表すために漫画など、ストーリーを使うことがある。 しかし、そのストーリーに違和感を感じて逆効果になる場合もよくある。

そこで、今回は説得の心理学の観点を使って、なぜ胡散臭く感じてしまうのかを考える。

結論

要因

  • 効果が信じられない
    • できるだけ根拠を説明する
  • 自分を変えようとしていると感じる
    • 作成側のためではないと思ってもらえるように信頼される

詳細

動機づけのためのコンテンツの多くは、長くならないように調整されているのではないだろうか。 早く全体像や効果を知って、興味を持ってもらおうとしているのだと思う。

理由1:効果が信じられない

しかし、過剰に短くしてしまうと、成功までに必要な根拠を自然に入れることができなくなり、嘘っぽい成功談になるなってしまう。その結果、信じられないという気持ちにつながる。

これは、リアル志向のスポーツ漫画などでも起きていて、そんなこと起こるはずないじゃんと思うようなものも同じであろう。弱かったチームが強豪チームに勝つが、結果を信じられるほどの要素がなく、うんざりしてしまうなど。 こうならないために、スポーツ漫画では、弱かったチームでも、新入生に強いメンバーが入ったり、すごい監督になったり、科学的なトレーニングを取り入れたり、練習を多くしたり、対策を入念にやっていたりしているのではないか。

これは、社会心理学の説得の分野で言う信憑性の部分である。

この場合は、効果について疑いを持っているので、本当に実現できると思わせる根拠を説明することで緩和することができる。(が、ショートストーリーという目的からはズレてしまうので、トレードオフが必要。ちょうどよい落とし所を探す。

理由2:自分を変えようとしていると感じる

しかし、過剰に短くしてしまうと、ストーリーを通してアピールしないといけない情報を全面に出してしまったり、アピールすることの密度が高くなってしまう。その結果、このストーリーは、自分たちを変えようとしていると感じられてしまう。

もっというと、自分たち(読者)のためというより、作成者が自分たちを騙そうとしているのではないかと感じるのではないだろうか。

これは、社会心理学の説得の分野で言う信頼性の部分である。

この場合は、相手が自分を騙そうとしていることに対して疑いを持っているので、自分の利益のためだけに言っているのではないことが伝われば緩和することができる。 だが、これに関しては単純な問題ではない。なぜなら、「あなたのためですよ」とかけばいいわけではなく、そう思えるようにしないといけないからである。たとえば、詐欺師が最初に物を売りつける前に、おばあちゃんに親切にするなどの行為は、この信頼性を勝ち取るための行動であろう。

提案から説得までのプロセスを対象者の観点で分類 〜仕事で使う場合を想定して〜

提案から説得までのプロセスに対して、よくアドバイスをしているが、全体像を把握していなかった。そこで今回は、仕事で使う場合を想定して分類する。

前提として、こちらの記事での用語の位置づけ

  • 相談:やることに対して意見を言ってもらうこと
  • 提案:考えを相手に提出すること
  • 交渉:相手と話し合って決めること
  • 説得:相手の考えや行動を変えること

大きく分けて、提案から説得までの対象者は、一人の場合と、グループの一部、グループ全員の場合が考えられる。

今回は、最終的な目的として説得しないといけない人を挙げる。 というのは、上司に決定権があるので、上司を説得するために自分の周りのチームメンバーを説得するのではあれば最終的な目的は上司である。チームメンバー全員を説得するために、上司を説得して上司に説得してもらうのであれば、最終的な目的は上司である。

一人の場合は、代えが聞かない場合を指す。上司や、特定の権限を持つ人など。 グループの一部の場合は、ある条件を満たしていたら誰でも良く、全員でなくて良い場合を指す。特定のロールの人など。その中でも、一部の人の母数が多い場合と少ない場合で極端に取りうる手段が変わってくると考えたので、さらに分類した。 グループの全員の場合は、そのまま特定のグループの全ての人を説得する必要がある場合とする。

  • 一人
    • 特定の人
      • 上司
      • プロジェクトのリードエンジニア
  • グループの一部
    • 特定条件の任意の人(特定条件が厳しい、母数が少ない)
      • 自部署のデザイナーの誰か
      • 海外出張行った誰か
    • 任意の人(特定条件が優しい、母数が多い)
      • 社内の誰か
      • 社内のエンジニアの誰か
  • クループの全員
    • 自分のチーム全員
    • 自部署のデザイナ全員
    • 自分の会社全員