読書記録『自己肯定感、持っていますか? あなたの世界をガラリと変える、たった一つの方法』

自己肯定感の向上のためについて調べるべく、 自己肯定感、持っていますか? あなたの世界をガラリと変える、たったひとつの方法 大和出版 を読んだので簡単にまとめる。

こちらの書籍の著者は、精神科の専門医指導医が執筆されているということで、本屋で10冊程度調べた中では、信頼できる内容だと判断した。 自己肯定感に関する書籍は、カウンセラーという肩書の方が執筆されていることも多く、精神医学を学んでいる方が書かれているのは比較的信頼しやすい。

数ある心理療法の中でも、対人関係療法という手法を活用している。 日本では、対人関係療法は、こちらの先生がほとんどの本を出している。海外でも研究されている方がおり、H.S.サリヴァン「精神医学は対人関係論である」という書籍もある。

本の内容メモ

自己肯定感が低い人に起こること

自分にはどうせ無理だ、と思って新しいことを始められない。

「自分がどうしたいか」ではなく、「相手はどうしてほしいのか」「どうすべきか」を考えて振り回されたり、大変な思いをしてしまう。

頑張りが足りない、我慢がたりないと、自分を追い込んでしまう。 誰でも辛いことには耐えていると、現状を改善しない。

隣の人が話しかけてくるのがじゃまになる。 聞かなければいい、相手をしなければいいと考えられない。相手中心で考えている。

自分の思っていることをわかってくれないことに腹が立つ。 自分を肯定していない人ほど、周りの人に気持ちを読んでほしがる。

周りの人の機嫌が悪かったときに、自分に原因があるのでは?と思う。 不要にストレスを感じてしまう。

周りから傲慢だと思われない、嫌われないために自分をあまり肯定せずにいる。 傲慢より謙遜でいたい。自分を低く考えておけば失礼がないだろう。 ・「自分なんて、全然大したコード書ける人間じゃないんです(部署内では一番技術力が高いけど)」

褒められるのが苦手で、褒められると、そんなこと無いよって言ってしまう。 自分で自分の良さを認めているように感じて申し訳ない。 ・例えば、「〇〇さんのコミットの分割はとてもわかり易いよね」→「いやいや、そんなことないです」

自己肯定感が低いと、こんな自分を好きになってくれたと相手をよく確認しないから、変な人を受け入れてしまう。

どうせ自分なんてと、自虐的、ネガティブな発言をしてしまう。

誰かと意見が対立したときに、向こうの言い分が分かると言われると腹が立つ。 正しい考えという絶対的なものがあり、それ以外は間違えたもの。

自分では気づけないもの

注意をされても自己正当化をして非を認めない。認められない。

相手からすると、過剰な感謝、過剰な謝罪をしてしまう。

法則

決めつけが強いほど、自己肯定感が下がる

自分の言動を否定されながら育った人は、多様な意見を受け入れづらい。

解決方法

人に対して尊重する。敬意を払う。

なにか能力があることに対して尊敬するのではない。 何かの条件があるから、尊敬するのではなく、無条件に敬意を払う。

なぜなら、自分から見ると駄目な行動をしていても、その人にはその人なりの事情があるから。 なにかの理由で頑張れなくなっている、何かの理由で偉そうにしているかもしれない。

相手に条件を付けず、相手を評価しないようにする。

相手に対して不快感をもったときには「なにか事情があるんだろうな」

自分を好きになりたいということは、今の自分が好きではないということ。 だから、ありのままの自分を受け入れるようにする。 自分の好きなところ探しをするわけではない。

自分より人に対してのほうが寛容になりやすい。だから、人をリスペクトするところから始める。

自分にダメだと思うのではなく、大変だったねと思うようにする。

自己肯定感が低いとやりたいことを挙げられない。 無理だとか、変なんじゃないかと思ってしまう。なにかをしたいって思えなくなる。 「〜すべき」と考えるようになる。「〜すべき」は他人にも要求するようになる。

自分の嫌いなところに向き合う。 好きなところを探すのは条件付きリスペクト 嫌いなところを探すと、ハンディがあるのに頑張ってる自分を見つけられる。 恵まれれない環境で育った自分を認めてあげる。 誰だって恵まれれない環境でと考えても、あまり得をしない。

人とつながりを作ると良い。 嫌われないように振る舞うこと、相手を束縛することは偽のつながり。 あまり合わないけど、心から信頼できる友達をつくる。(対人関係療法

対人関係に問題がないと思う人にも、対人関係両方は有用。 対人関係に問題がないと思う場合、自分を抑えて、相手に合わせている場合がある。その場合は、心の病に陥る可能性がある。

人に対して自分を偽らないといけないのは、相手へのリスペクトが不足しているから。

治療者は、自己肯定感の代わりをする役割。 自己肯定感できない人のありのままを受け入れ、一緒に前向きな変化を起こしていく。 患者に症状なのだから仕方ないと受け入れてもらうのも、ありのままを受け入れてもらうことになる。

本当の気持ちを伝えることは、とても大きなハードルがあるので治療者がフォローする。 「伝えてみたら受け入れられた」という体験が、大きなエネルギーにつながる。

感想

心理学的な検査をするときに使われる尺度を用いて自分を計測すると、ほとんど必ず自己肯定感が高いと判断できる。 しかし、こちらの書籍の自己肯定感の低い人の特徴としては、ある程度当てはまっていた。

こちらの書籍の内容が正しいとすると、自分が使っていた尺度では、計測が不十分とも感じた。

主観的には、自己肯定感として正しいかどうかはおいといて、こちらの書籍に書いてある考え方をできた方が生きやすくなるのではないかと思った。

今後

心理療法についてはほとんど知らないため、こちらを読んで勉強する予定である。

対人関係療法について、水島先生以外方があまり本を出していないのも気になったため。

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