自己肯定感に関係する用語の調査

モチベーションの12の理論を元に自己肯定感に関係しそうな理論について調査した。

ここで得た知識を元に本屋にいくと、以前は見つけられなかった以下の本に出会えた。今後は以下の書籍のまとめを作りたい。

自己肯定感と自尊心

自己肯定感も、自尊心も英語で表すとself-esteemとなる。

自尊心はは、”自分の人格を大切にする気持ち。また、自分の思想や言動などに自信をもち、他からの干渉を排除する態度”とされている。 デジタル大辞泉

自分の人格を大切にする気持ちの部分は、自己肯定感と近い。干渉を排除する気持ちの部分は異なるため、自尊心の方が範囲が広いのではないか。

自己効力感 モチベーションの12の理論から抜粋

自己効力感は、英語でself-efficacyとなる。 ”自己の能力への確信の程度、信頼度のことを指す” モチベーションを学ぶ12の理論 p254

自己効力感が強いと、人は困難な状況や難問を、乗り越えるべき試練、挑戦すべきものとして捉える。 課題遂行のための努力や時間をどの程度投資するのかにも影響を与える。

禁煙をすれば健康に良いということが分かっていても行動できない場合、何をすべきかは分かっているが自分にはうまくできそうにない、と思ってしまう。これは、自己効力感が低いから起きている。

行動をしたら結果が起こると考える「結果期待」は満たされているが、自分が行動できると考える「効力期待」が満たされていないと、行動を起こさないから結果に結びつかない。 セルフ・エフィカシーは、この2つの期待を含んでいる。

セルフ・エフィカシーは4つの形成要因がある。自分で決めた行動を達成し成功した経験である達成体験(行為的情報)。セルフ・エフィカシーの形成・変容過程で、最も効果がある。逆に失敗体験はセルフ・エフィカシーが下がる。困難に打ち勝った成功体験が効果がある。

自分以外の他者が成功したり達成するところを観察する代理経験(代理的情報)。「これなら自分にもできる」と考えられる。他者が自分と類似点が多ければ大きいほど、効果が大きい。

他者から能力があることや達成の可能性が高いことを繰り返し言語で説得される社会的説得(言語的説得の情報)。説得者の権威や信憑性に関係するが、最も手軽な手法。社会的説得のみによって高められた自己効力感は、消失しやすい。暗示や自己教示を補助的に使って、達成体験や代理経験を用いる。臨床現場では認知の置き換え(リフレーミング)として応用されている。

肯定的な気分で高まり落胆した気分で下がる生理的・情緒的喚起(生理的喚起の情報)臨床の現場では、イメージエクスポージャ、象徴的奪脱感法、筋弛緩法などが使われている。

能力を持っているとしても、自信を過小評価していると、低い目標を設定し、目標を簡単に諦める。

自尊心も自己効力感も、正確に見るよりも楽観的に見るほうが建設的。 実はうつ病患者の方が現実を正しく反映していた。

グラハムやワイナーといった動機づけ研究者も、自己効力感が最も確かな行動予測変数だとしている。

自尊心と自己効力感

  • 自尊心:自分自身の価値に関する感覚
  • 自己効力感:ある目標を達成するための能力が自分にあると思う感覚

自分が価値を見いだせないものに関してできなくても自尊心は傷つかないが、自己効力感は下がる。逆に、何かをうまくできたとしても、それに価値を見いだせなければ、自尊心が上がることもない。

何かの目標達成については、自己効力感の方が予測に向いている。