動機づけのためのショートストーリーが胡散臭く感じてしまう理由を説得の心理学から考える
教材や商材などには、その商品の効果を簡単に表すために漫画など、ストーリーを使うことがある。 しかし、そのストーリーに違和感を感じて逆効果になる場合もよくある。
そこで、今回は説得の心理学の観点を使って、なぜ胡散臭く感じてしまうのかを考える。
結論
要因
- 効果が信じられない
- できるだけ根拠を説明する
- 自分を変えようとしていると感じる
- 作成側のためではないと思ってもらえるように信頼される
詳細
動機づけのためのコンテンツの多くは、長くならないように調整されているのではないだろうか。 早く全体像や効果を知って、興味を持ってもらおうとしているのだと思う。
理由1:効果が信じられない
しかし、過剰に短くしてしまうと、成功までに必要な根拠を自然に入れることができなくなり、嘘っぽい成功談になるなってしまう。その結果、信じられないという気持ちにつながる。
これは、リアル志向のスポーツ漫画などでも起きていて、そんなこと起こるはずないじゃんと思うようなものも同じであろう。弱かったチームが強豪チームに勝つが、結果を信じられるほどの要素がなく、うんざりしてしまうなど。 こうならないために、スポーツ漫画では、弱かったチームでも、新入生に強いメンバーが入ったり、すごい監督になったり、科学的なトレーニングを取り入れたり、練習を多くしたり、対策を入念にやっていたりしているのではないか。
これは、社会心理学の説得の分野で言う信憑性の部分である。
この場合は、効果について疑いを持っているので、本当に実現できると思わせる根拠を説明することで緩和することができる。(が、ショートストーリーという目的からはズレてしまうので、トレードオフが必要。ちょうどよい落とし所を探す。
理由2:自分を変えようとしていると感じる
しかし、過剰に短くしてしまうと、ストーリーを通してアピールしないといけない情報を全面に出してしまったり、アピールすることの密度が高くなってしまう。その結果、このストーリーは、自分たちを変えようとしていると感じられてしまう。
もっというと、自分たち(読者)のためというより、作成者が自分たちを騙そうとしているのではないかと感じるのではないだろうか。
これは、社会心理学の説得の分野で言う信頼性の部分である。
この場合は、相手が自分を騙そうとしていることに対して疑いを持っているので、自分の利益のためだけに言っているのではないことが伝われば緩和することができる。 だが、これに関しては単純な問題ではない。なぜなら、「あなたのためですよ」とかけばいいわけではなく、そう思えるようにしないといけないからである。たとえば、詐欺師が最初に物を売りつける前に、おばあちゃんに親切にするなどの行為は、この信頼性を勝ち取るための行動であろう。