図書館に行って気づいたことメモ

図書館に行っていくつか考えたので、メモに残す。

再現する成功の法則を見つけるのは難しい

やる気を引き出した例を探したくて、星野リゾートの例が載ってる本を見たが、経営の工夫とは多岐にわたるもので、それぞれの本で星野さんの取り上げている工夫は違っていた。

ここから、成功のプロセスを見つけ出すことがいかに難しいかわかる。 成功するために何が重要な要因か見つけるのは難しい。それぞれの専門家によって見る視点が違うから、成功の要因を探そうとしてたくさん要因を出すことはできるが、それだけやれば大丈夫は非常に難しい。

考えてない事はないか確認するためのチェックシートだったり、キャンバスにする事には役立つだろう。 結局のところ、それだけやれば成功するではなく、失敗の要因をたくさん見つけると言うところに収束するような気がする。

全然別だが、モチベーションについて探そうと思ったらリーダーシップなどを探す必要があるのではないか。

キャリアのポートフォリオについて考える

カルロスゴーンさんの就職する学生向けの一言に、学生の時は何かの技術を身につけるのではなく、プロセスや考え方を身につけたほうが良いとの言葉があった。

身に付けるのは、再利用性の高いものの方がより良いのかもしれない。しかし、学生時代の自分に当てはまるだろうか、と考えてみた。

技術を身につけるというのは、他の人との差が分かりやすく、就職に繋がりやすい。 考え方やプロセスは、再利用性が高いが身についている事を伝えるのも難しいし、採用する側が判断することも非常に難しい。

そう考えると、再利用しやすい考え方は、リスキーである。

自分の知識やスキルに対するポートフォリオとして考えると、長期投資型のものだろう。

ここまで考えてみると、学生のキャリアを考えてアドバイスするのであれば、『自信がなくて確実性が高い選択がしたければ、資格や技術を身につければ良いし、自信があったり就職できなかったときのリスクに対応できるのであれば、プロセスや考え方を身につけるのが良いのではないか』と声をかけてあげるのが良いだろう。

有機的統合理論を深める その1 同一化的調整ってどんなメカニズムよ

過去に、同一化的調整でモチベーションが高かったことが有るが、一気に急降下した経験を思い出した。 同一化的調整とは、どのようなときに発生して、どのようなときに低下するのか、考察してみる。

同一化的調整とは、自分の将来のためになるということだ。 自分の将来のためになるというのは、自分のなりたい姿や、モチベーションの対象になる行動が自分のなりたい姿に近づくために役に立つと言ったロジックがつながっていることが重要だと考えた。

自分のモチベーションが急降下した対象は、「技術的な勉強をする」ことである。

前提として考えていた部分の中の、オレンジの枠線をつけている部分に関して勘違いをしていた。そのため、勉強をすることが、市場価値が高まることにつながらず、「技術的な勉強をする」ことに対してモチベーションが下がってしまった。

今回は、会社として合理的な選択をするという部分に関しては問題なかったが、自分が多くの人とは異なった性質を持っていることに気づかなかったことが敗因だと言えよう。

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同一化的調整(「将来のためになる」のロジックの分解)

勉強に対するモチベーションと代替物

モチベーションの強い弱いは、相対的に考える事で、更なる発展があるのではないかと検討してみる。

途上国の子供に関する話で、途上国の子供は学校に言って勉強したいのに、勉強できないんだよ。日本と違う貧しい人々を救おうという話を見ることがある。

これを動機づけの観点から考えたい。

日本の子供は、勉強したいという気持ちは、途上国の子供よりも、少ないのだろうか。 今回は、前提を小学生と考えて深めたい。

途上国の子供は、学校に行きたいのに行けないという。 では、学校にいかない代わりに何をしているのか。 仕事をしてお金を稼いだり、家事や、兄弟の世話などをやっているようだろう。

内発的動機づけと、外発的動機づけの観点から考えたい。

普段行っている仕事や、家事などに比べると、学校に行くほうが自分のためになると考えているとすると、外発的動機づけが働いている。(特に、有機的統合理論の同一化的調整だろう) 計算や読み書きができる方が、良い仕事に従事することができるようになることを子供は理解している場合に発生する。 また、仕事に関しては、働くと日払いでお金になったり、仕入れて売ったらその場でお金になるなどを経験すると、外発的動機づけが働く。このとき、自分のために自分で考えて行動していると思えば問題ないが、他の人からご褒美で釣ってコントロールされていると感じれば、アンダーマイニング効果が発生して、仕事に関する内発的動機づけは低下する。結果として、どんどん楽しいという気持ちが減少する。

また、内発的動機づけは、あることに対して強制され気持ちが抑制させるほうが、別の対象について強くなる傾向にある。そのため、学校に行けない状態が、学校に行って学ぶことへの内発的動機づけを高めることが考えられる。 また、家族から、学校に行くよりも仕事や家事をすることを求められれば、心理的リアクタンスが発生して、家事よりも別のことをしたいと感じるだろう。

それでは、日本の子供について考えてみるとどうだろう。

日本の子供は、時間があれば遊んでいるだろう。 勉強の代わりにやる事が、遊びなのであれば、遊びになびきやすいのではないだろうか。

というところから、日本の子供にも、勉強しない場合はバイトをしたり、家事をするように言ってみたら、勉強したくなるのではなかろうか。

と、最後の部分は自分の体験をもとに検討してみた。

面白いコンテンツとは、どんなものなのか。

モチベーションの理論から、興味とは程よいズレについて発生するようである。 知的好奇心について詳しく調べたいところだが、一旦は素朴理論として面白いと思ってもらえるコンテンツを作っている人から分析してみる。

偉人のノウハウ

よっぴーさんによる記事の書き方

面白いコンテンツにするということは、多くの情報の中から面白い部分を切り出す作業が大きく効果があるようだ。 【SPOTライター勉強会】 ヨッピーさんのおでかけ記事 書き方講座 https://www.youtube.com/watch?v=UORj7okUn9A

こちらで紹介があった。

お出かけ記事を書くときは、ひたすら話を聞いて、たくさん聞いて面白いところだけ切り出す。 残りは殆どカットする。 多くの情報を地道に集めて、自分が面白いと思う部分を抽出するということである。

簡単に言うと、面白い話の抽出にコストをかけているのだろう。

別途、バズ狙いか、SEO狙いかを決めなさいという話があった。バズ狙いは読んで面白いと思う内発的動機の中でも、知的好奇心に働きかける方法であり、SEO狙いは読んで役に立つと思う外発的動機づけに働きかける方法であろう。 著者に意図的に、内発的動機づけに対してアプローチするのか、外発的動機づけにアプローチするのかを決めて、意識的に取り組ませる話があった。

マツコ会議?であった話

以下のツイートでも紹介している。特異性に対して、人は興味を持つという話。

「(自分の強み、ポイントは)一度も彼氏がいたことがない」という新人作家さんに「そういう人はいっぱいいる」とマツコさん。「そんなあなたがカップルを見てどんなことを思うか、そこに特異性があるか。人と違うところがあるか」という話をするマツコさんの話が刺さりまくり。#マツコ会議

https://twitter.com/a410345/status/1091701463934357505

自分が見つけた現象

テレビ番組編

月曜から夜ふかし」という番組では、取材班が街に出て一般人にたくさんインタビューして面白いことを言ってくれたものを編集して、総集編として紹介している。 これは、Webライターが多く取材して面白いところだけ抽出するということと近いのではないか。 意図的に、面白そうなことを言ってくれる人にインタビューしたり、面白いことを言ってくれそうな質問をするとか、面白いことを言ってくれる人が多い場所に出向くというのもあるだろう。 特異性という部分も、地域の特性などを使いながら、インタビュー対象を決めているようである。

ねほりんぱほりん」という番組では、養子ってどんな事が起こるんだろう、覚醒剤をやっていた人はどんな人生を歩むんだろう、詐欺ってどんなことを思ってやるんだろう、などなど。 普段、一般の人が考えたこともないような人に取材して、その人の哲学や考え方を紹介するなどである。

どちらも、人の特異性を見つけて、多くの時間を取材し、面白いところを凝縮しているのではないかと思う。

Youtube動画編

どんどんカットして面白いところだけ切り出すという基本 24時間TV駅伝を全部1人で歩いたら何時間かかる? [60fps] https://www.youtube.com/watch?v=PA2Is845Ar4 作者の人が面白くないのでダイジェストでっていっている

これも、他の人が起こさない特異なことをやって、多くの時間を書けて作ったものを凝縮している。

こちらのクイズを解く動画では、 早くときすぎてしまったら、撮れ高がないーっていいながら、解説をしながら説いていた。 こちらは、逆に早く通過しすぎて、視聴者が面白いと思うところを作る作業が入っている。 https://www.youtube.com/watch?v=-4gYCxiYvrI

Youtubeに対しては、改めてもっと多くの動画を分析して紹介したい。

教養としての認知科学 第5章まとめ

教養としての認知科学を読んだので、興味深かった5章をまとめる。

第5章では、思考のベーシックスということで、人間の思考と、バイアスについて扱う。

思考

思考には、推論、問題解決、意思決定がある。

推論

推論は、演繹、帰納、仮説推論の3つに分類される。

演繹は、与えられた前提条件から、推論する。 「人は、死ぬ」と「ソクラテスは、人である」から、「ソクラテスは死ぬ」など、論理から論理を導き出す。 また、「ソクラテスが死ななければ、ソクラテスは人ではない」のようなものも当てはまる。 論理的に正しいのもの扱うことになるので、命題論理でいう、命題と対偶が該当する。

帰納は、複数の条件から元になる法則を導き出す。 「東北出身のスズキは暑がりだ」「東北出身のタナカは暑がりだ」から、「東北出身者は、暑がりだ」のようになる。

仮説推論は、論理でいうと逆にあたるもので、論理的に必ずしもただしいと言えないものを導き出きだす。 雨が降ったら地面が濡れる。という情報から、地面が濡れていたら雨が降ったのだろうとすることである。

問題解決


問題解決は、現状を理想の状態へ移行するために考える思考である。 
ハノイの塔の問題で、初期状態から、完了状態に移行させるためにどうするかという思考である。 しかし、同じメカニズムの問題を文章題にすると、8倍程度の時間を要するようになる。 問題解決の思考では、問題をどう捉えるかの問題理解によって、大きく過程や結果が異なってくる。

問題解決では、思考過程を言葉にしながら話す発話プロトコル法を使うことが有用である。 しかし、内省や振り返りなどの思考時には向かないとされている。

また、数学の合同の問題では、どう解くかをなんとなく理解する事が多いだろう。 これは、ヒューリスティックスという。 一定のアルゴリズムを用いて解くというより、経験や勘として、答えられるようにすることをヒューリスティックスとしている。

意思決定

意思決定は、複数の選択肢の中から1つの選択肢を選ぶことである。 昼食を、ラーメンにするか、とんかつにするか、という問題も意思決定であるし、物件Aに住むか、Bに住むかというのもそうである。 もちろん、一概にAの方が良いとは言えない。駅から近い方は家賃が高いなど、複数の軸で比較することとなる。 理想を言えば、複数の選択肢の特徴を列挙して、重回帰分析をして属性ごとの重要度を決めて決定するのが良いだろうが、それには時間がかかる。

そこで、ヒューリスティックスという方法がある。この方法は、大幅に時間と労力を節約してくれる。 ヒューリスティックスには、2つの方法がある。1つは、最後に行った意思決定でつかって上手くいった属性をつかって選ぶ直近ヒューリスティックスである。もう1つは、一番大事だと思う属性を選んで、その優劣によって決める最良選択ヒューリスティックスである。最良選択ヒューリスティックは、属性の評価が同程度なら、次に大事だと思う要素を、という具合に繰り返す。

バイアス

人々は、論理性や合理性からかけ離れた思考をする。 その要因となっているのは、思考のクセであるバイアスである。

バイアスは、複数あり、推論、問題解決、意思決定の全てに影響する。

ウェイソンの選択問題(4枚カード問題)を使っても、演繹を使って人間が問題を解けないことがあることがわかるだろう。

平均収束バイアス:1回1回の施行毎に独立なサイコロでも、3回連続で出たら次は出ないんじゃないかと感じる。平均に収束するように思う。

利用可能性ヒューリスティックス:思い出しやすいものが重要な情報だと感じる。思い出しやすいものは、何度も出会っている可能性が高いからである。これは、メディアが珍しいものを取り上げることで歪んでしまうことが有る。

代表性ヒューリスティックス:マグカップらしさ、野菜らしさなど、我々は、「〇〇らしさ」というイメージを使って、目の前のものがマグカップかどうか、野菜かどうか、判断する。

連言錯誤:自分の中の代表性ヒューリスティックスを使って物事を判断する。りんだ問題のように、集合として扱えば違う判断をする場合でも、この連言錯誤によって別の選択肢を見えなくしてしまう。

社会的ステレオタイプ代表性ヒューリスティックスを無意識に使って、XXX人は〇〇らしさがあるなど、偏見や差別につながる。

確証バイアス:自分が考えていることを裏付ける情報ばかりを探そうとする。第一印象で、だらしない人みたいだと思えば、だらしないところばかりを探すようになる。

参加型の教材作りの段取り

参加型の教材を作ろうと思ったので、これまでの知識と合わせながら考える。

参加者

参加者のステータスを定義する。既存の知識は何が必要なのか。 どういった前提条件の人が参加するのか考える。

大きなゴールの設定

ゴールを決めるときには、理解できる・説明できるなのか、状況を変えられるのか、定義する。

受講者は、どんな状況(前提条件、場面)で、なんの知識をどう使う(科学、工学)&(何かを見ながら、何も見ず)のか。

知識を使う場面設定

知識を使う場面は、ActiveなのかReactiveなのか。 Activeは、知識を使おうとしたら使える状態である。パソコンの画面を暗い設定にする、など意識したらその場で行動ができるもの。

Reactiveは、知識を使う場面が限られる状態である。パソコンの画面の明るさは、部屋の明るさに応じて暗めに変更する、など状況に応じて行動が変わるもの。こちらは、使える状況に気がつく必要があるため、自分で身につけるには振り返りをしたり、意識を行動に向けておく必要があるだろう。

座学を聞いたからと言って、使えるようにならない理由の1つとして、このReactiveに使うものがある。

何かを転移させる必要があるのであれば、転移前に完全に頭の中に記憶した状態を作るだけではなく、 現場で使うのと同じような状況になるように考えることが有効だろう。

ゴールのレベル感分類

まずは、知識として何が必要か考える。まずは知識として列挙するのがいいだろう。 必要なものを列挙したら、到達レベルを分割する。

経験学習サイクルをよりよくするための工夫

経験学習サイクルとは、次の4つのフェーズに分けて経験を整理する方法である。

  • 具体的経験
  • 内省的観察
  • 具体的概念化
  • 能動的実験

具体的経験として、思い出しやすくするためには、2つの方法がある。

具体的経験

具体的経験を思い出すために有効なのは、時系列的な行動を列挙する方法。 これは、認知科学で言われるエピソード記憶の思い出し方に近い。

また、その行動から、新たにチャレンジしたことを見つけることも良いだろう。

内省的観察

列挙した事実や、新たに挑戦したことから、結果としてどんなことが起こったかを挙げる。 行動した結果どんなことが起こったかを振り返るだけで長時間かかったりする。 KPTで行うような、発生したよかったこと、悪かったこと、新しく分かった学び、など多様な観点で質問してもいいだろう。

時間がある場合は、一つ一つのやったこと、具体的経験について考えても良い。

具体的概念化

他の場所でも使える自分の持論を作る。 このとき、科学的な理論と結びつけることでより質の高い理論を作ることができる。

能動的実験

作った持論を新たな環境で適応してみる。 新たな実験をすることで、更に質の高い持論の構築を促す。

その他

期間や新しい経験の量、意思決定の数にも影響されるが、時間をかけて考えることで質が高まる。 多くの観点から、立ち止まって時間をかけて考えるようにしたい。