能力を身につけるための方法を考えたこと

概要

卓球の動画を閲覧していたら、技術的に向上する動画の他に、「勝つための方法」に特化した動画がいくつかあった。 卓球という競技や、人間の技術力の向上といった観点をメタ認知した上で効率的に技術を身につける方法を紹介している。 すべてワールドラバーマーケットさんがアップしているものである。 こちらは、一段メタに捉えることで、卓球に限らず何に対しても当てはまることであり、非常に有用なため かんたんに内容をまとめて、メタに理解した内容を記す。

参考にする動画は以下

どんな先生やコーチも教えてくれない、練習の優先順位・段階について【卓球知恵袋】

動画の内容を紹介

人間の技術向上のための段階をメタに捉えて練習方法の段階に落とし込んで紹介している。

以下引用

どういった順序になるのか?僕が考える練習の段階は5段階あります。 【練習の優先順位・段階】 第1段階 感覚・・・止まった状態でボールを思い通りに打つ 第2段階 身体・・・規則的な動きを取り入れボールを思い通りに打つ 第3段階 反射・・・ランダム性を取り入れボールを思い通りに打つ 第4段階 予測・・・戦術(システム)にランダム性を取り入れる 第5段階 試合・・・1~4すべての要素が含まれる

https://www.youtube.com/watch?v=AgVH7bm31lM

上ほど簡単で、下ほど難しいととのこと。 多くの卓球練習では、第3,4段階が欠如しているそう。 規則的なボールの動きを練習したら、ランダム練習をして、戦術にランダム要素を入れて、試合をするのが良いとのこと。

応用

これは、社会で技術を身につける際にも同じことが言えるのではないだろうか。 こちらの動画でも、学校の勉強に例えて伝えているが、それとは違う方向性で考える。

卓球で言う、試合で使えるというのは実社会で使えるということだと考えると、試合で使える状態は教育心理学でいう適応的熟達の状態である。

たとえば、数学では三角関数微分積分を学んでときに、 人によっては、何かを計測するときや、移動距離を計算するときに積分したりするであろう。 しかし、実社会に応用できていない人も多い。

これは、実社会で応用して使えるものだと考えていないため、 テストで点を取るためだけのものであると思い、そういった応用する観点のアンテナを張っていないためではないか。

ということは、卓球の試合で使える技術にするための何の要素が足りないか考えているのと同じく、 自分たちの教えたいコンテンツも、何が足りなくて応用できていないか観察してまなぶことで、 教育の質を一気に上げられる。

試合で勝つための戦術と技の優先順位(サーブ・ドライブ全て)【卓球知恵袋】

卓球のルールから仕組みを理解し逆算して必要な練習を紹介している

動画の内容を紹介

こちらでは、試合で勝つための戦術と技の優先順位ということで、勝ちやすい練習を紹介している。

  • サーブ
  • サーブからの3球目攻撃
  • レシーブ
  • レシーブからの4球目攻撃
  • ブロックカウンター
  • 両ハンドのドライブ
  • フットワーク

どういった優先順位になっているかというと、「使用頻度の高さ」と「状況のコントロール可能性」と「成功・失敗時の効果」が選ばれている。 シングルスであれば、サーブは相手と交代で打つので、毎試合のほとんど半分の場面で使用する。 回数でいうと、レシーブも同じだが、サーブのほうがレシーブよりも攻められる場面で有利な状況であるので選ばれていると考える。 また、ここで3球目攻撃が2つ目の優先順位なのはあるのは、 サーブにおいて有利な場面を作ったり、自分の想定した状況を作りやすいため選ばれているのであろう。

また、卓球がミスをしたら点を取られるスポーツで、攻撃をキメても点数になるかわからず、キマっても1点しか取れないという性質上、 ミスをしない・キメられないこと優先順位が高くなるので守備的なものが優先順位が高くなっていると考える。

応用

こちらも、自分が取り組んでいるゲームの性質を理解することの重要さが分かる。

  • 使用頻度の高さ
  • 状況のコントロール可能性
  • 成功・失敗時の効果

にしても、こちらの軸が分析できれば、応用はし易いのではないか。 研修をするにしても、使用頻度の高いものや、自分の力でどうにかしやすいものから選んでいくと効果を出しやすい。

経営であれば、 意思決定で一番多く使用するものから身につけていくようにする。

また、成功・失敗時の効果では、大きく赤字を出すと倒産してしまうリスクが一気にあがるので、 小さく回数を重ねながら利益を積み上げていくのような意思決定と近いものがあるであろう。

経営でいうと、そういった意味では、ベンチャーキャピタルからお金を投資してもらって 一発逆転のサービスを作るといった方法は、成功率は非常に低いにしても、 ゲームに新しい選択肢を見つけた大きなものであっただろう。

試合で勝つ為に絶対覚えたい考え方【卓球知恵袋】

卓球で負ける人の傾向を分析して紹介して紹介している

動画の内容を紹介

こちらでは、自滅型で負けてしまうケースについての言及であった。 習熟度の高い技術だけではなく、まだできない技術をキメようとして勝てないようである。

これは、失点理由や得点理由をメモしていくこと、抽象的にしていくことで見つけられるのではないかと思う。 実際には、勝っている選手と負けている選手を比較する必要があること、それが実力の差の場合は見つけられなさそうなこと、 また、失敗理由をどこまで抽象的に扱うかによって得られる結果が変わる。

こちらに関しては、ある程度経験がある人が見て、一般との比較や、観点を提供する必要があるのではないかと思う。

応用

こちらは、起業が失敗するパターンをなくして起業を成功させる考え方と近い。 TOCの現状構造ツリーや、システム思考を使うことで図解することで同様のことができると考えられる。 また、結局はその観点が重要なため、各分野の有識者が集められるなら集めると効果的である。 例えば、心理学、経営学、組織行動学、認知科学社会学など。

感想やアイデア

卓球に関して言えば、サーブ、レシーブ、守備の順番に試合で使えるようにしてけばいいことが分かる。 そして、その場合は、感覚を鍛えるところから始めランダム練習を行って試合で使えるようにすると良いみたいである。 また、試合で勝つためにであるように中途半端な技術は失点の原因になるので、数は少なくても利用場面の多い技術に絞って習熟度を上げていくのが良いのではないか。

実際のところ、卓球だと相手ができない技術が分かれば、そこを意図的に攻めることもできるので、 守備的なものから弱点をなくす形式で練習するのが効率がよいのであろう。

卓球であれば、自分の技術の一覧と、それに対する習熟度や正確さの一覧を作ることができれば、 コーチに教えてもらうときには非常に役に立つ。