やる気を出したい場面調査にメカニズムと対策を添えて
ヤフー知恵袋を調べてみて、やる気に関する直近40件くらいのお悩み相談を分類してみました。 人のやる気を出したいという意見もありましたが、今回は、自分のやる気が出ないというお悩みを。
一番大きく分類しやすいように感じたのは、「やらないといけないのにやれない」お悩みと、「やりたくないけどやらないといけない」というものであった。
やらないといけないのにやれない
前者は、受験勉強や、自己啓発など、自分のための勉強が多い。とはいえ、学校自体をやめてしまいたいというものもあった。こちらは、比較的セルフコントロールの理論を元に対策するのが良さそうである。
動機づけの3つの機能である、行動喚起、行動の方向づけ、行動持続のうち、行動喚起までは動機づけされていて、行動の方向づけや、行動持続まで至っていないため、やりたい、やらないといけないと思っているのにやれていないから感じるもののようである。
これは、先延ばしの心理学として、回避的先延ばしと、覚醒的先延ばしがある。
また、これを引き起こしているのは、自尊感情の問題も大きい。失敗への恐れやセルフ・ハンディキャッピングなども考えられる。
自己啓発のための作品作り、ブログを書くなどであれば、完璧なものを作りたい、すごいものじゃないと出してもダメだと考えてしまうため、アウトプットのハードルが上がる場合がある。
勉強の場合は、悪い点数をとったときの保険に「おれ、全然勉強してないんだよねぇ」って言えるように勉強をしていないのがセルフ・ハンディキャッピングである。
また、ほかの誰かからXXXしなよって言われているとしたら、そこには心理的リアクタンス(人に言われるとやりたくなくなる、他の人に勧められたら避けたくなる)のような気持ちが影響している場合もある。
それぞれのメカニズムに応じて、対応することで乗り越えられるのではないか。
やりたくないけどやらないといけない
後者は、自律的動機づけの理論でいうと、自律度の低い動機づけで仕事をしているため、精神的な苦痛を感じてしまっていると理解できる。
こちらに関しては、より自律的な動機を持つための支援をすることで改善されると考えられる。 これは、自己調整学習の動機づけ方略を用いることで解決する。 より自律的な動機というと、同一化的調整や、統合的調整である。
これに至るためには、自分の目標を今の行動を紐付けてあげるのが効果的である。 今後、こんな人になりたいという希望が、今の職場でこの仕事をすることが適している。のように考える。 研究でも、自分のためになるかどうか考えるような人は、同一化的調整の動機づけが強いことが分かっている。
また、内発的な動機をもつために、やるべきことを楽しくする方法を考えることも有効である。
付録 お悩み対象一覧(別の場所からの情報も含む)
「やったほうがいいとは思いつつ、やる気が出ない。」 「やりたいなぁともつつ」
- 大学入試
- 定期テスト
- 普段の勉強、受験勉強
- 学校をやめたい。周りの人がやめてしまって。
学校には行くが、授業を聞かない。部活もいかない。
趣味など、好きな活動。
映画を見に行こうと思っていたのにダラダラしてしまう。
子供を公園に連れて行ってあげたい
手の込んだ料理を作ってあげたい
やる気が出なくて、会社を休んでしまう
在宅ワークだからやった分貰えるけど、やれない。
仕事でやらないといけない量は決まっているのに、やる気がないから、締め切り前に困る。終わらない。
仕事はやる気を持ってやるべきなのに、やってない。
- 人に迷惑をかけるからやっている(動機づけのレベルが低いから辛い)
・やっていることが楽しくない。楽しいと思っていたことが楽しくない。