「脱・ビジネスモデル症候群」に参加してから商品ラインナップについてやるべきことを考えた。

概要

先日、和波さんの「脱・ビジネスモデル症候群」のセミナーに参加しました。 そこで、商品ラインナップがどんな状態にあるべきかの説明があった。 「即効性」と「遅効性」の軸と、「独創的」と「一般的」の軸でマトリクス化されていた。 どうすれば、このマトリクスにあった商品ポートフォリオができるのか考えたい。

特に、起業の最初の一歩を踏み出すことに注力して考える。

内容

事例から考えるマトリクスの有効利用方法

紹介されていた事例では、即効性:中と独創的:高のポジションに物語食堂があり、 即効性:高と独創的:低のポジションにケータリングがあった。

他に、一般的に世の中に普及している商品を考えてみても、一般的な商品は即効性になりやすく、 独創的な商品は遅効性になりやすいのではないか。 また、必ずしも独創的なサービスをやったからといって大きなリターンを得ることができるかは分からない。

そのため、こちらのマッピングをすることの最大の価値の1つは、自分が偏った商品ばかり作っていることに気づくことである。

初期段階で考えると、 「即効性」や「一般的」な商品ばかり作っている人は、収入を安定させることはしやすい。 「遅効性」や「独創的」な商品ばかり作っている人は、自分の事業で収入を得ることが遅くなり最初の一歩が踏み出しづらくなる。

初期段階を超えた状況だと、 「即効性」や「一般的」な商品を作り続けている人は、収入が増えることはあっても同じことして大きくなる挑戦ができていないかもしれない。受託開発やお弁当を作り続けている状況である。 「遅効性」や「独創的」な商品を作り続けている人は、

何をすべきか

初期段階に焦点を当てて考える。

初期段階で、「即効性」や「一般的」が無いことは最初の一歩が踏み出せずに、いつまでたっても独立することが難しい。別の収入源があったとしても、その収入源が自分の向いたい方向性と違えば、収入を得ることが「遅効性」や「独創的」な商品が売れることに対して結びつかない。 また、方向性が一致していても、労働者として働いている間は、経営能力を磨くチャンスを失うし、経営者仲間を作るチャンスも減らしてしまう。だから、自分のやりたい方向性とあった「即効性」や「一般的」な商品があることが望ましい。

では、「即効性」や「一般的」な商品とは、どんなものがあるか。 1つは、すでに多くの人がビジネスをやっているものである。 教育系だと塾がそうだろう、IT系だと受託になるだろう。商品といっても、労働力を提供する形は、収入源になりやすい。 また、完全に他の人と同じことをすると、労働力の価値すら低くなってしまう。 そこで、他の人たちよりも、どこかの軸で突出することで安定的に収入を得られるのではないだろうか。

受託だと、納品をしないスタイルや、完全リモートのような差異をだしている会社もある。 塾だと、教えるコンテンツやスタイルを変えるなど。変えすぎると独創的になるので注意。

マトリクスでスコアリングすることで自分の価値観を見つけていく

概要

自分のやりたいことを比較していると、言語化しきれていないことに気がついた。 そのため、自分が価値観を言語化するために使った方法を紹介する。

直感的やりたいことスコアと、やりたいことの要素分解したものを比較していく。

本文

以下の2つを例に考える。

  • 書籍のリコメンドサービス(書籍と表記する)
  • 料理の栄養素データ解析(料理と表記する)

それぞれ、「やりたい理由がちがう」ということを知ることが大切である。そのときに、どっちもいいところがあって決めきれない

自分のやりたいことが「学習支援などの学びに関わることだ」感じれば、その観点を作る

やりたいこと 直感の総合 学び
書籍 10 5
料理 7 1

となり、直感の結果と他の観点を足し合わせた結果が矛盾する。

そこで、別の要素を追加する。 「料理」の方は学びにかかわらないけど高い理由は何か考える。 そして、自分はデータを解析できることを楽しみにしていると気づいたとすると、以下の表はこう更新される。

やりたいこと 直感の総合 学び 解析
書籍 10 5 1
料理 7 1 5

ここまできて、矛盾の度合いは少なくなった。 が、まだ矛盾が無いとは言えない。

5+1、1+5はどちらも5なのに、「書籍」の方が高くなっていることから、2つの可能性が考えられる。 1つは、「学び」の価値の方が「解析」の価値よりも大きい可能性である。もう1つは、他の価値が見逃されている可能性である。

前者の価値が違うことを解決するためには、傾斜をかけて辻褄を合わせる。 今回は、「学び」の方を2倍してみる。

やりたいこと 直感の総合 学び 解析
書籍 10 5*2 1
料理 7 1*2 5

計算結果が11と7となり足し合わせた結果と、直感が近くなったんではないだろうか。

後者の他の価値が見逃されている可能性については、他の価値を考える。「解析」の項目を考えた時と同じように、「書籍」にあって「料理」にないやりたい理由を考える。 今回は、「人に使ってもらいやすい」項目を考える。「利用」と表記。

やりたいこと 直感の総合 学び 解析 利用
書籍 10 5 1 5
料理 7 1 5 1

利用してもらえるかどうかをスコアとしてつける。 足し合わせると11と7となり、直感が近くなったんではないだろうか。

これらに対して、比較したい対象を追加してみること、観点追加すること、傾斜を考えること、で自分の価値を見つけていきやすくなる。 そして、自分の「学びに関わること」「解析できること」「人に使ってもらえる」など、出した価値観を満たすが、やりたいと思わないことも意図的に考えてみることで自分の中で大事である項目が見つけやすくなる。

人事評価における偏りの原因について考える

概要

自分の身の周りで評価に対する偏りが気になった。 同じ仕事をしていても、評価者が変わることで大きく結果が変わるからである。 今回は、その評価者が変わることで評価が異なる原因について、考えたことを残す。

  • 自分の行動を正当化する
  • ビジネス価値に気づけない
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能力を身につけるための方法を考えたこと

概要

卓球の動画を閲覧していたら、技術的に向上する動画の他に、「勝つための方法」に特化した動画がいくつかあった。 卓球という競技や、人間の技術力の向上といった観点をメタ認知した上で効率的に技術を身につける方法を紹介している。 すべてワールドラバーマーケットさんがアップしているものである。 こちらは、一段メタに捉えることで、卓球に限らず何に対しても当てはまることであり、非常に有用なため かんたんに内容をまとめて、メタに理解した内容を記す。

参考にする動画は以下

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卓球教室でのコーチによる教え方の違いに対する考察(コンテンツとフィードバック方法)

過去にも書いた卓球教室ネタを。 継続して同じ卓球教室に参加しているのですが、これまでに4人のコーチにマンツーマンで 教えてもらうことができました。 同じ卓球教室でも教え方や教えるコンテンツといったものは統一されておらず、 コーチごとに教え方や教える内容が違っていました。
そのため、気になった違いに対して考察してみます。

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教育心理学概論の紹介

概要

何度も、教育心理学概論の紹介をこちらのブログでも実施しているが、本全体についての紹介は特にしていなかった。 教育心理学概論のレビューを書く使命が回ってきたので、感想をこちらにまとめたいと思う。

内容

この本は、自分の人生に多大な影響を与えてくれた非常に大切な本である。最後にその思いを書いておく。

教育心理学概論はどんな本か

認知科学、学習科学の第一人者であるお二人の研究者の方が、認知科学を中心に各分野の研究を紹介しながら、人が賢くなる仕組みについて説明した本である。 全体の流れは、人の学ぶ仕組みを科学的に説明、子供の学習過程の実験を元に認知過程の変化を紹介、授業例とその裏にある科学的な仕組みの紹介、時代に対応して変わる教育の形態の紹介と今後の展望のようになっている。 特に、学習過程の中でも、相互作用についての研究を中心にされているため、そちらの観点を学ぶ際にも役に立つ。(6章、12章)

また、教育者、マネージャー、父母、学習者など、幅広い人に多くの学びをもたらしてくれるだと考えている。 「教えたはずのことができない理由」「教師が居なくても生徒が学ぶようになる仕組み」「必要なときに使えて発展し続ける学びの獲得方法」などなど、多くのことが得られた。 多くの研究内容を、短時間で流れとともに理解するのに適した書籍でもある。

思い

Amazonのレビューにもあるが、分かりやすいか分かりづらいかというと、初めて読む方からすると難しいであろう。 なにしろ、これまでの学びに関わる研究分野が多く紹介されているし、それぞれの論理展開はそれぞれの研究を理解しないと十分に理解しきれないかもしれない。 
私は、この本を1回で全てを理解できる本だとは思っていない。その分、何度読んでも多くの学びを得られる本だと思っている。

私は、この本はが、私の人生にとても大きな影響を何度も与えてくれたことに感謝している。 1つめは、自分の学生時代に考えて教師に提案していた勉強方法のあり方が誰からも受け入れられず悲しい思いをしていたが、こちらの本を読むことで初めて肯定されたと感じ、それを発展させていきたいとも感じた。この本に出会ってから、認知科学や学習科学の分野の専門書を読み研究を学ぶようになった。

2つめは、他の人ができないことを理解できない人間であったことを変えてくれた。リンダ問題を紹介しながら、どちらが正解などではなく考え方の枠組みが違うと教えてくれたからだ。自分は、リンダ問題を集合の問題として捉えられない人はダメだし、学んだことを正しく理解できない人はダメだと思っていたときもあった。しかし、この本は、そういった考え方をすべてとっぱらってくれたし、それが現場での仕事にも多いに役立った。

3つめは、学びの場の作り方が大きく変わった。人に教えることが好きで、講義形式の発表資料をいくつも作ることがあったし、そこでは正解を覚えてもらうことを求めていた。しかし、人は気づきを得て自分から得た学びの方が役に立てやすいことを知り、教える人からファシリテーターに変わることになった。

書ききれないので、この辺にしておく。

最後に、この本をきっかけとして多くの素敵な人々と出会えたことである。この本の素晴らしさを人から教えてもらい、皆で学び、次の学びの場を作っていくサイクルができた。