経営の立場を考える事で会社行動の目的を考える

概要

やる気のある学生さん/若手会社員さんと話をしていると、本当に良いものを提供したいのに 先輩からはそういったことを求められないとの話を聞いたりする。

この辺は、自分も若手時代に大変悩んだりもした。 今回は、それぞれの人に対して、誰から何を求められているのか考える事で整理したい。

内容

先輩社員は、何を求められていて、何を大事にしているから、自分の考えている本当に良いものに賛同してくれないのか。 そういった先輩社員は、長期的に会社の収入を上げるという視点ではなく、今の自分に与えられたミッションを完了させることを目指しているからである。

会社で働く人は、お客さんのために自分の求められていること以外をする人は多くないんではないかと思う。だから、お客さんのためになること、組織のためになることでも、自分の評価/利益にならないことはやらないことになる。

多くの場合、ミッションはいつまでにいくらの契約数だったり数字を達成するかである。 そして、その期限も大変短い。半年、4半期レベルである。 会社のもっと偉い人から、そういったことを求められている。

では会社の偉い人は、なぜそんなことをするのであろうか。 株式会社だと、経営がうまくいっていると株主に思って貰う必要があるからだ。 株主への決算報告(会社経営の成績表)は、4半期ごとに公開していたりする。 そのため、その数字を良くするために社員に4半期ごとにやるべきことを指示するのである。

株式会社の成り立ちを考える。 株式会社は、大航海時代東インド会社からできたとのこと。 航海をするときに、船や乗組員など多くのお金が必要なので1人で出すのが難しいので、 みんなでお金を割って出し合う。 そのとき、まだ航海の成功率はそこまで高くなかったので、全財産を投げ打って出資すると、失敗したときにリスクが多すぎるため、分割して出資できるようにもしている。 そして、航海が成功したら出資したお金が自分に返ってくる仕組みを作ってみんなにお金を出してもらう。

だからといって、顧客や会社のためになることが無理かというとそんなことはない。 偉い人に慣ればなるほど、長期的に利益を出し続ける必要があることを理解している。 今後3〜5年間の中長期計画などを作ったりもする。 そこでは、長期的に利益を出し続けないといけないため、自分の提案がどんなふうに会社のためになるのか伝えられればそういったことも可能になる。