「ビジネスモデル症候群」を最速レビューしてみる

概要

一時期、起業界隈で盛り上がったあの和波さんのスライド新規事業・起業を妨げる「ビジネスモデル症候群」とはが 書籍になって帰ってきました。ということで、じっくり読ませていただきました。 感想を簡単に残したいと思います。

内容

これは、スタート時の起業家や起業支援家を中心に書かれていますが、起業家だけが読むには勿体無い本だと思います。 ベンチャーで働くことを選択肢に入れている人も是非読んでみてほしいです。 今の時代に合った起業プロセスについて書かれていますので、自分の働く会社が失敗しやすい方向には進んでいないか、最低限の確認をすることができると思います。

スタートアップの手法本を読んでも、上手く行かなかった方にぜひとも読んで欲しい内容です。 なぜ、ビジネスモデルをつくることで上手くいかなくなるのかが紹介されています。

ビジネスモデル症候群を、病気と同じ観点で、「症状」や「原因と観戦経路」とまとめられ俯瞰しやすい構成になっています。 もちろん、後半には脱却する方法や、起業をすると何が変わるかなど、起業を選択肢に考える人が絶対に読んでおきたい内容も満載です。

今、世の中の常識ともなりつつあるビジネスモデルを作るデメリットを心理学の観点から分かりやすく紹介してくれています。 そして、ビジネスモデルを作ることや、ビジネスモデルコンテスト自体を否定しているわけではなく適切なタイミングで参加しましょうとのことでした。 創業時に大事なのは、アイデアよりも経営基盤なので、そっちに注力して安定してからアイデアを磨きましょうとのことです。

また、ビジネスモデルを大事にしていること自体を否定しているわけでもありません。 技術が進歩して、法律が整備されてきた今、ボトルネックが移動してきたよねってことみたいです。

スライドで紹介されている内容が、さらに科学的な根拠を元に失敗する原因や、その対策を紹介されています。 例えば、確証バイアスがあるから、自分の都合の悪いことは気付かないうちに無かったことにしてしまいますよ、など。 和波さんが多くの起業家を支援しているからこそ、実例に対して理論を適応して紹介をしてくれています。 また、Youtubeの動画も掲載されていて、確証バイアスがいとも簡単に人の認知を捻じ曲げてしまうことも体験できます。

他にも、ヒューリスティックとして人は物事を単純化して考えてしまう傾向があることや、 手段が目的化することが問題であることも紹介されています。

特に『創業1年目の仕事は、「やりたいこと・できること・求められることの3を一致させる仕組み」を構築すること』と説明されていて、 起業をしようとして、テーマがやりたくないことになってしまうことを避けることも重視された内容であることがわかります。 やりたいことを固定せずに、やりたいことを広げたり、できることや求められることを増やすことも紹介されていました。 そして、目標設定の重要性も説明されながら、目標は起業家として成長することで変わってくることも紹介されていました。

4章では、経営者として生きることのメリットも紹介されていました。 知り合う人が変わってくることと、チャンスが巡ってくることが非常に多いようです。 4章の「起業の本質を知り、再スタートしよう」に関しては、特に起業家向けの内容かと思いきや、 この章が一番起業家以外の人にもメリットがあると思います。 起業をすると、どんなことが起こるか、いろんな観点から教えてくれます。 ビジネスとしてお金を生む多くの手段も紹介さているため、こちらも企業に対する心理的なハードルをさげてくれると思います。

と、前半に内容が偏ってしまいましたが、気になったところをやオススメできる理由を紹介しました。 何万円もの講座で教えていた内容の一部が、なんと1680円と4時間くらいの短い時間で一気に知ることができる非常にオトクな内容で満足でした。 これから、何度も読んで身につけます。