類似と思考 2章の内容メモ
類似と思考 2章の内容メモ
2.1
概念は、辞書にあるような定義(りんごは、バラ科の植物で、球形の実がなって〜)ではなくて、似たような事例をまとめ上げたプロトタイプが影響している。 そのプロトタイプを作って人は、ものが何かを判断する。
赤リンゴだけではなく、青リンゴもあれば、形の違うリンゴもある。 それを見ながら、自分の中で、どんなものが一般的なリンゴか、それにどれくらい似ているのかから考える。
鳥を見たときに、どれをトリだと思うか。 一般的に、鳥の種類を聞かれると、トリの特徴を沢山有しているものが出てきやすい。 本によれば、雀、鳩、ツバメ。
ワシやタカはサイズが一般的なトリから離れているから少し出てきづらい。 ペンギン、ダチョウのような飛べないものも、トリと聞かれたときには出てきづらい。 ## 2.2
だから、概念というものは「類似」の思考に影響されているし、 概念を考えるときは、類似の思考が含まれていると考えて
事例から抽象化をする帰納も重要な例証の1つ。 さまざまな犬を見ながら、「犬の概念を作り出す」
犬という概念がなくとも、親がイチイチ犬だと教えなくても、 諸事例と今見ている犬らしき対象が似ているから、ひとまとまりにされる
ここで、犬と猫は、最初から判別できるのか?と考えたが、そのあたりは他の人からの話を聞きながら、分類していくのだろう。
概念を考えるための「プロトタイプ」の特徴を、どこまで拡張するかに関しては、類似度が影響する。 類似度の高いハトやスズメに存在する特徴が鳥類一般に存在するか問われるよりも、 類似度の低いハトとハシビロコウのようにエッジケースに存在する特徴が鳥類一般に存在するか問われる方が肯定しやすい。
2.3
これまで、人の認識として、どのようなボーダーで類似判定が行われているかを考えていたが、 ここからは、人が状況を類似だと感じることで起きる影響についての説明がある。
記憶する場面と思い出す場面の類似度が高いほうが思い出しやすい。 スキューバダイビング中に覚えたものは、スキューバダイビング中に思い出しやすいけど、スキューバダイビング外には思い出しにくい。
意味記憶に関してもそうで、単語を覚えるときに似たようなカテゴリのものが一緒に想起されたりする。
2.4
子供は、新しい概念を覚えたときに、 色や大きさではなく、形が似たものへと拡張する。
2.5
学習転移は、学習課題と転移課題の間にどれくらい類似度があるかで効果が異なる。
?いくつか資格試験をみたけど、使う場面と違う内容を聞いてるのは多い。 それどころか 医学部の臨床はすごい。こんな患者がきたら、どんな検査をする?って質問がある。
覚えたルールは覚えた文脈の中でしか使えない。
類似と思考 1章の内容メモと感想
内容の紹介
一文自分の中での補足や説明をしながら、本の本筋を紹介しています。
人の考え方と、論理の考え方には乖離があるよね。
抽象的なルールを使って生きられればいいよね。 だから、論理学者は、最も抽象的なルールを使って問題を解決していると考えた。 「晴れたら遠足に行こうね」のような。 しかし、人は論理的に物事を考えるのは苦手で、文脈によってできたりできなかったりする。 「4枚カード問題(ウェイソン選択課題)」で、母音の裏は偶数であるときには?と聞くと、 奇数の裏を確認する人はいない。 しかし、未成年はお酒を飲んではないけないというルールだと、未成年も、お酒を飲んでいる人も調べることができる。
またもう一つ。 「刑務所に入るのであれば、犯罪をおさないといけない」というという、 利得と対価が反対のような問題を作られると、正解率が下がる。
論理学的に人が考えられない理由
論理学では、前提は疑うべきではなく、前提とする情報以外は考慮しなくて良い。 しかし、我々の生活の中では、日々新しい情報を獲得しながら、それを活用しながら生活していく。 そして、与えられた前提を疑ったり、足りない前提を補ったりすることが多い。
論理学では、「寒い地方では綿花が育たない、イギリスは寒い、イギリスで綿花は育つか?」の綿花やイギリスといった、名詞はシンボルである。しかし、それは現実世界では意味をもつものであるから。「イギリスは植民地が多いときなら、イギリスで綿花を育てている場所があるかもしれない」など。
人は、学んだ抽象的な知識を文脈の中に適応するのが難しい。
数学の問題について考える。 上記のことがかんたんにできるのであれば、みんな例題を問いて練習をしたら、応用問題が解けるはずである。しかし、そうではない。
新しい抽象的なルールを学んでも、適応対象の何が変数なのかわからないし、ルールのどの部分に適応するのかも分からない。
ってことは、心理学の理論をいくつ学んでも、なかなか現実世界に適応することは難しいってこと。
感想
書いてみたものの、自分の中で論理学の紹介がどんな目的で出てきていたのか、うまく理解ができていなかった。再度読み直して理解を深めたい。
教育心理学を使って実験するときの注意点
教育心理学は、認知過程を確認することが多い。 認知過程を確認するためには、どんな流れで答えが出てきたか確認する。 そのため、「どうしてそうなったの?」と問いかける。
しかし、不用意に発言することで相手に不快感や不信感を与えることがある。
理由を確認することで、相手に対して否定として受け取られることが多いためである。 これは、否定しているわけではないことをを伝えるだけでは不十分であるらしい。
いくつかの事例で、否定しているわけではないことを伝えた上で「どうしてそうなったの?」と確認すると、顔色を伺うような行動を取ることがあるとのことであった。 仮説として、相手が想定外の行動をとったときのみ「どうしてそうなったの?」と確認していることが課題にっているのかもしれない、との意見もあった。
上手くやっている人の行動例としては、被験者というか子供に対しては、「教える」というスタンスではなく、「一緒に、見つけていこう」ということを伝えているようであった。 更に、「自分が何を学んでいて、どうして今の行動をとっているかを伝える」という方法で、できるだけ相手に行動の裏を伝えるという意見もあった。
できるだけ、自分の思いや、行動をネタばらしして行動するほうが信頼関係を得やすいように感じた。 認知過程を確認するのは、被支援に対しても負荷が大きいことなので、このあたりを配慮することで対策したい。
メタ認知が主体性と熟達に与える影響について調査して考えたログ
メタ認知が学習に大きな影響を持つのは、学習者が主体的に学習に関わるとき(p17)
熟達(p19)
- 型どおりに再現できるようになる定型的熟達と、新しい方法を取り入れられる適応的熟達
- 適応的熟達は、本質的な原理を習得しているから、自分をモニターしプロセスが有効化どうか
- 定型的熟達は、反復練習によって形成される
- 適応的熟達は、適切なレベルで知識を抽象化して知識を蓄えることが必要
- 問題解決のプロセスを常に意識化することが重要することが重要
- あまり考えずに学習したことは修正や改善が困難
- だだ練習を積んでも適応的熟達には達しない
- 問題解決のための知識の利用にも意識化が有効
- どの知識をいつ使えばよいかを常に考え知識の使い方を習得する
- 適応的熟達にメタ認知が非常に重要になる
# 考え 「守破離」の「守」だけができるのが定型的熟達である。 原理を理解しなくても、「守」をするだけならできる。 「破」や「離」に達するためには、原理を理解していないとできない。 なぜ、そうするのか原理の部分を理解する。
逆に言うと、「破」や「離」に達しなくて困っているという場面があるのであれば、原理を理解してもらうことでその一助になるのであろうか。
主体性(p20)
- 主体性を感じるためには、自分の行為が結果に影響を与えるという実感が必要
- 学習において、対象や範囲、進め方、時間配分が委ねられるほど主体性が高まる
- 主体性が高まると自己調整学習が行われる
自己調整過程
- 6つの適応領域(学習動機、学習方法、学習時間、学習結果、学習物理環境、学習社会環境)
- 自己調整の下位過程は、自己観察、自己判断、自己判断
- 自己観察して、時間を浪費していると知ったら、行動を改めるかもしれない
# 考え
研修をする場合には、破綻しない程度に自由度を持たせて行動してもらうのが良いのではないか。 また、自分で決めているという感覚を持ってもらえるようなフィードバックをするのも大切であろう。
よくある自分の活動履歴を記録しておいて、振り返ってというのは自己調整のための準備として良いらしい。コーチングなどで、もし可能であればこれまでの期間でどんなことをしたか、記録してもらうのも良いかもしれない。毎日記録することも、良いフックになりそう。
メタ認知の定義と分類からの応用例を考える
メタ認知の定義と分類を学んだので、応用例を考える。
「メタ認知 学習力を支える高次認知機能」を読んで重要なところを抜き出し。
メタ認知手の定義と分類から一部加工。
- メタ認知的知識
- 人についての知識(宣言的)
- 個人内の認知特性についての知識
- 私は、文法は得意だが長文が苦手だ
- 個人間の認知特性についての知識
- AさんはBさんよりも英語が得意だ
- 人間一般の認知特性についての知識
- 目標をもって学習すると身につきやすい
- 個人内の認知特性についての知識
- 課題についての知識(宣言的)
- 方略についての知識(宣言的、手続き的、条件的)
- 宣言的知識
- どんな方略か
- 方略の内容の知識
- 手続き的知識
- その逢着はどう使うのか
- 具体的にどうすればいいのか
- 条件的知識
- 使おうとするときに筆頭
- いつ使うのか
- なぜ使うのか
- どの様な効果があるのか
- 宣言的知識
- 人についての知識(宣言的)
- メタ認知的活動
メタ認知的知識の応用について考える
仕事のやり方を教える場合、何かしらの方略を教えていると言えるだろう。 その場合、参考にするのは、方略に対する知識である。 この方略を理解する場面では、算数に置き換えて理解するのが、誰もが経験があり、シンプルな方略を使うことが多い科目である。
宣言的知識があると、どんな知識なのか知ることができる。手順としては、一番最初に実施するものであろう。例えば、「三角形の面積の公式は、底辺×高さ÷2」 場合によっては、公式が出てきた背景や、公式の導き方を先生が指導するかもしれない。 頭で理解する、納得するといったフェーズであろう。
しかし、これを知っていても、うまく計算できるかはわからないため、問題を解いてみる。 例題をみながら、どのように解いたら良いのかの算段をつけて、練習問題を解く。 新しく学んだ直後に用意されている問題は、その公式を使って解ける問題である。 繰り返し問題を解くことで、計算の一連の流れを身につける。
最後に条件的知識である。これは、どんな場合にその方略を使うのか。 これは、数学の授業では扱う場合と扱わない場合があるだろう。 少し広い範囲のテストであれば、どの公式を使えば良いのか自分で判断しないといけない。 異なる公式を使う問題を混ぜておいて、使う公式を選択させることで条件的知識が身につく。
メタ認知的活動の応用について考える
メタ認知モニタリングでは、アジャイル開発の振り返りのように、一度立ち止まって自分たちの仕事の仕方を考えるということが使われている。学校の授業や研修でやるのであれば、授業の最後に自分の理解度をチェックする小テストなどが当てはまるだろうか。 これも、用意された小テストをやるのも方法の1つだが、自分で理解度チェックをしてみるのもよい。
メタ認知コントロールでは、メタ認知モニタリングで得られた評価をもとに、計画を立てる。 前回のテストが40点しか取れなかったから、今回の授業では、こういったことに気を配りながら活動する、のようになるのだと考える。
学習科学ハンドブック 第4章 メタ認知 メタ認知に関する3つの知識
- メタ認知は、簡単にいうと、自らの心の内容や過程について考えること。
- 認知の特徴を記述する場合の認知のことを指す。
日常的な行動や課題解決から、特定分野の上達まで重要な関わりをしている。
思考関係の課題を解くときに、以下のようなときに発生する。
- 事前:
- 知識やスキルが利用できるか予想する
- 事中:
- 進捗の確認
- やり方が上手く行っているか
- 進捗を改善するために方法を変えるか考える
- 事後:
- 学習を振り返る
- どのくらい効果的か評価する
- 似た課題に使えそうか考える
- 事前:
メタ認知に関係する3つの知識
- 宣言的知識
- ”これが当てはまる”という形の命題
- 内容
- 自己効力感についての信念
- 知識についての信念(認知論的信念)
- 課題についての信念
- 戦略が使えるかどうかの信念
- 例えば、パリはフランシュの首都である
- 手続き的知識
- 課題を遂行するために必要な方法についての知識(ノウハウ)
- 例えば、検索事に「”」でくくると1単語として扱われるなど。
- 特定領域に特化したものも、一般的につかえるものもある
- 条件的知識
- ある命題が当てはまる設定
- いつ、なぜ宣言的知識および手続き的知識が課題に関連しているのか知っていること
- なぜ、作戦が有効なのか
- いつ適応するのがよいのか
- ある手続きが目標達成にとって適切かどうかの知識
- IF−THENルールで記述される
- 例えば、太字の単語は覚えたか確認することが重要
- 宣言的知識
3つの知識へのメタ認知
教育心理学概論の「わかりやすい説明がバブル型の知識を生む」を職場の実情と照らし合わせる
教育心理学概論では、わかりやすい説明がバブル型の知識を生むとのことだった。 そこで、職場での応用を考えてみた。
バブル型の知識とは、科学的な概念や原理原則を理解している教師が、生徒に対して分かりやすく説明することで発生するとのことであった。これは、生徒の経験と結びつかないことが原因で発生するようである。 バブル型の知識になると、2つの問題があり、使われないと忘れやすいこと、文脈が違うと使えなくなることである。
たとえば、等速直線運動について説明を受けたところで、普段のボールを蹴った経験は途中でボールが止まってしまうからである。
また算数において、理想的な状態は三角形の面積がどうして底辺かける高さ割る2になるかを自分の言葉で説明できる状態だそうである。 しかし、これを理解せずとも、三角形の面積の求め方を覚えて、三角形の面積の求められるように訓練できる。 これは、バブル型知識になっているといえる。 そうすると、未知の問題、例えば台形にであったときに三角形が2つあると解釈することが発生しづらい。
職場では、このようなことがあるだろうか。 職場で考えると、むしろ多く発生しているのは、三角形の面積の求め方を先輩から教えられて、そのまま三角形の面積を求める作業をし続けているのではないだろうか。 その人がもし成長したら、台形からの面積の求め方、長方形からの面積の求め方など、少しつづ教えていくことで作業を身に付けさせていく。 こうすると、文脈が違う場面で応用が効かないので、実は三角形の面積の公式を使わないほうがいい場面でも適切な知識を選べないことになったりする。
プログラムの書き方、など先輩のやり方を見ながら真似をしていく。先輩に質問をしながら問題を解いていくなど、多くの場面で見受けると言うか、むしろ最後までそれで終わってしまう。 しかし、意味を理解していない場合、別の場面でもおなじことをして怒られながら学んでいく。
その作業をするようになった成り立ちみたいなものを学ぶことはほとんどないかもしれない。 だから、どの場面で何を使うのが一番いいだろうと考えることもなく、日々を過ごしてしまう。
もう1つの困る場面としては、研修ではないだろうか。 研修でこういったマーケティングがいい、こういったマネジメントがいいと学んできたところで、 現場では起きていることが違うから、実施できないなと思って辞めてしまうのである。
これを解決するためには、この要素を使うことで自分たちの現場ではどのようなことができるかについて、検討するのが良いだろう。 多くの時間を使って、自分たちの現場での制約や文脈を加味しながら、どう知識を使っていくか。 また、上手くいかなかった場合は、何をするのが良さそうか検討することができると考えられる。