教育心理学概論2章 まとめ

教育心理学概論2章

  • 学ぶことも、分かることも、学習と呼ばれるが、それは区別しておいたほうが良い。
  • 外からは見ることができないが、人が心のなかで考えていることは多様である
  • 心のなかで起きることを認知過程という
  • 認知過程は、見たり、聞いたり、学んだり、分かったり、考えたり、思いついたり、感じたり、判断したり、すべて。

  • 様々な認知過程があること(1人の中でいろいろな認知がある)

  • 人によって色々であること(人によって認知過程が異なる)
  • 認知過程が学びによって変わっていくこと

  • 学んだ結果として、「分かっている」状態ができる

  • 「分かり方」そのものがまた学びによって変わっていく
  • 教育心理学的に考えるということは、外から見える活動だけではなく心の中で起きている認知過程の内容や質を検討すること。

  • 認知過程は多様だ。

    • 10×10=100と答えたとしても、覚えていたのか、足し算をしたのか、見たのは分からない。
* 認知過程によって、答えの出方や、学び方、分かり方が異なる。
    • お金を抽象的な数として認識している子は、100×100が10000だと理解できる
    • お金をお金として認識している子は、100×100が10000だと理解できないことがあった
  • 枠組みに当てはまらないと分からない
  • 何かが見えるようになるということは、どのような枠組みで対象を捉えられるのかに依存し、見え方も違ってくる
  • 枠組みを作り変えることが学ぶということになる

ということは、「分かる」と「学ぶ」の違いは、「分かる」ということは、枠組みに当てはまるときであり、「学ぶ」ということは、枠組みを作り変えることだろうか。

  • 街の中を歩き回りながら学ぶときは目的がちがうので、更に多様な認知過程が起きる
  • 始めていく場所か何度も行く場所かによっても起きることは変わってくる
  • 地図を見ながら歩く人もいたらWebから得た情報を頼りに調べない人もいる
  • 準備として計画を付くつときにも、調べたり考えたりする多様な認知過程がある。

  • 多様な認知過程が成立する中で効率よく活動できるようになることは学ぶことにあたる。

  • 最初はバスや電車を調べてメモを取るかもしれないが、同じ目的地に何度も行くと準備しなくても行けるようになる
  • 何度も同じ活動を体験することで、異動の方を学んでいく
  • 移動の途中に体験する情景が「表象」として心の中に蓄積されていく
  • いろいろな場所に行くという体験が、全く新しい場所に行く為に役立つものになっていく
  • 表象の変化は意識的に引き起こそうとして起きるものもあるし、活動しているうちに必然的に起きてしまうものもある
  • 枠組みが出来上がったり、枠組みが変化して街の見え方が変わることが学び
  • その学びが繰り返し起きることで表象が複雑になり適応範囲の人い分かり方が導き出される

  • リンダ問題でも、教育心理学的にはどちらが正解かではなく、人によって解釈に違いがあることを知ることが大事

  • 人は問題を解くときに特定の枠組みを使って解く
  • リンダ問題が、いろいろな枠組みを引き出す問題である
  • 人は自分が一旦1つの枠組みを採用してし合うと、他の枠組みを理解することが難しい

  • 先生が生徒の「分かりが悪い」と感じる原因の1つは生徒が問題を解くときに自然に持ち込む「枠組み」が違っているかもしれない

  • 教室内で、このような当たり前につかう枠組みが違うことが起きていても気づくのが難しい
  • 先生は、自分の使う枠組みの上でわかりやすい説明をすることではない
  • 生徒がどんな枠組みを自然なものだと考えているかを探ること
  • 探るためには、答えではなく、答えに至る考え方を話してもらうのが手っ取り早い

  • 学びの過程で私たちは何度も「考える」という活動をして枠組みを作り直し、「分かった」ことを使ってまた活動する

教育心理学概論の全体感

教育心理学を深く理解するために、各章を掘り下げるのではなく全体の主張を確認したい。

1部

1章 概説

  • 人は何かを分かるから学びたくなってくる
  • 教育心理学は、人が学び続ける学びの質をできるだけ高く、発展させようとしている
  • 自分の体験や直感をだけ頼りにせず、人はどういった過程を経て学ぶのか、何が共通なのかを考えるのがいい。
  • 人は科学的な概念や原理原則を教わっても、自分の経験則とつながらなければ別の文脈で使える理解にならない
  • 科学的な概念を経験則とつなげるには、実験、結果からの議論、抽象化、仮設づくりなどをするのが良い

2章 人が学ぶときに起きる「認知的」な過程に着目。基本的な仕組み。

3章 活動の中で人が学ぶ意味と効果。基本的な仕組みを通して実践ではどうなるのか。

4章 小さな子供の学び方や世界のモデルの作り方について学ぶ

5章 経験則を初期仮設として持つこともにどう働きかけるのか

6章 概念変化を起こすときに使えそうな認知過程(建設的相互作用)の紹介

2部

7章 遊びから何が学べることや、創意工夫による違い

8章 日常の経験の中から子供が学んでいることの確認

9章 職場ではどんな学びがおきているのかの紹介

3部

10章 問題を見つけて解きながらどんなことが学べるのか

11章 結果の予測を繰り返すことで起きる学びについての実践例の紹介

12章 教科書や経験則の断片的な知識から新しい答えを作る知識構成型ジグソー法

4部

13章 今の時代に養成される学びのゴールとはどんなものなのか

14章 新たな評価法を考えることで多様な学びに対応する

15章 隔週科学の基礎を概観して、研究者としての考え方を紹介する

各章の主張をまとめていて思ったことは、目次の章タイトルがあまりにも美しくて、まとめる必要があまりなかったのではないか、ということ。

自分の提供できるサービスをひたすら言語化してみる

マーケティングの研修において、自分のサービスを言語化した。

なぜ言語化するのか

自分のサービスに対してメタ認知しやすくする。自分に適したお客さんマッチングすること。

これをすることで、自分のサービスの質が大幅に上がった。 労働力を提供する場合、相手のお困りごとを解決するということをするが、 自分の売りを説明できないということは、よしなになんでもやりますということに受け取られかねない。

もちろん、風呂敷を広げることで、今回の仕事は自分のやりたかったものではなかったということに気づけるので、必要な十分な学びである。 しかし、失敗をすると、得られるものも減るし、相手からの満足度も下がってしまうであろう。 自分でサービスを提供していて、ある程度よしなにサービス内容を変えられるのであれば、サービス内容を言語化するのがいいだろう。

一概には言えず、こういう人には、こんなサービスをしていて、ああいう人には、こんなサービスをしている。 などが思い浮かぶのであれば、それも一つの重要な気付きである。 それそれの、こんなサービスを分割して、サービスとして言語化するのが良い。

面白いことに、これをすることで自分のやっていることをメタ認知することができる。 自分の提供しているのは、問題解決のサポートなのだ。のようになる。

どう言語化するのか

他のサービスや、自分で対処するのとは、どう違うのか?

「心理学を使っているため」のような権威付けるための説明をしないようにする。 これをすると、「心理学」というワードを知らない人、興味がない人からすると受け入れづらくなってしまう。 いろんな観点から気付きを促すような情報だったり、人間関係を良くするような事ができますよというふうに言うと良い。

とはいえ、心理学というワードが刺さって、そこから繋がる場合もある。 そう考えると、どこのセグメントに対して、どんなメッセージを伝えるか考えるのがいいのだろう。 想定するペルソナごとに、別の言葉を用いてサービスを紹介する。

Dr.コトー診療所 第1巻 分析

設定

主人公

動機(根本的な考え方)

自分が損をしても、多くの患者を幸せにしたい。

欲求(動機が元になって発生する行動や言動)

自分が医療ミスをしたと責任を問われるかもしれない状況であっても、 どんなに悪口を言われたり反対されても、相手を救う。

自分がどう思われるか、得をするか損をするかなんてどうでもいい。 自分が怪我をするかもしれないリスクを負ってでも、患者を助ける。

能力

医大でも有名だと言われた凄腕の外科医

  • 離島の診療所に、東京から来た凄腕の医者。
    • 凄腕なことが分かるシーン:船の上で手術をしてしまう

自己評価

非常に高い。 どんな難しい手術でも、自分から積極的に取り組む。

内容1 盲腸の子を船の上で手術した話

こちらは、『「物語」の作り方入門 7つのレッスン』を参考に分析。

セットアップパート(いつ、どこで、だれがを提示)

  • 現代
  • 離島
  • 医大で凄腕だった天才外科医

最初の事件(好奇心を刺激、読者がCQをぼんやり設定)

島まで乗せてもらった船の運転手(漁師)の息子が体調悪そうにしている

展開* 葛藤パート (主人公を阻む障害)

  • 成功指標: 体調が悪そうな漁師の息子を助けられるか。
  • 動機: みんなの病気を直したい
  • 障害: 島の住人たちから信頼されない

クライマックス直前(困難)

  • 漁師は、腕もわからない施設も足りない島で見てもらうなんて嫌
  • 主人公を振り切って6時間かけて本土まで輸送して手術してもらう

クライマックス

  • CQ:時間がないので船の鍵を海に投げ捨てたように見せかけて、船の上で息子の手術をする。

解決パート(気持ちをフォロー、ネタ解説)

  • 手術は成功して、息子は完治
  • 主人公を信じなかった漁師は、過去に島の診療所の医者の誤診で奥さんを亡くしていた。

内容2 大動脈瘤のおばあさんを診療所で手術した

最初の事件(好奇心を刺激、読者がCQをぼんやり設定)

おばあさんが血を吐いて倒れてしまった

展開* 葛藤パート (主人公を阻む障害)

  • 成功指標: 大動脈瘤のあるおばあちゃんを助けられるのか
  • 動機: みんなの病気を直したい
  • 障害:
    • 本土の病院で手術してもらえば治るのに、本土には行きたくない:島で手術
      • 過去に夫がガンのときに抗がん剤治療が辛そうだった
      • 寿命は2ヶ月と言われたが、島で療養したら1年位生きられた
      • 本土に行くくらいなら舌を噛んで死ぬと言われた。

クライマックス直前(困難)

* 手術に必要な血をもらおうとした:過去に助けた漁師が手伝ってくれた
    * 本土からは施設の少ない病院に血を渡すと責任問題になるから無理
    * 漁師にお願いしても、協力したくない

クライマックス

  • CQ:開腹と同時に瘤が破裂して大量出血したが手で抑えてなんとかした

解決パート(気持ちをフォロー、ネタ解説)

  • 手術は成功して、おばあちゃんは元気に。
  • 息子から感謝をされた

内容3 サーフィンに行って溺れた看護師を救えるのか

最初の事件(好奇心を刺激、読者がCQをぼんやり設定)

波の強い日にサーフィンに行った2人が溺れてしまう

展開* 葛藤パート (主人公を阻む障害)

  • 成功指標: サーフィンで溺れた人を助けられるのか
  • 動機: みんなの病気を直したい
  • 障害:
    • サーフィンに誘った若者が軽度のケガ

クライマックス直前(困難)

  • 若者が、溺れて1時間立っている看護師よりも自分の友人を先に見ろという

クライマックス

  • CQ:溺れて1時間も海の中に居た看護師を救えるのか?

静脈に生理食塩水を点滴しながら、繰り返し人工呼吸を繰り返す。 地味な作業だからか、過去に救えなかった患者の人呼吸シーンが主人公の脳裏によぎる。

解決パート(気持ちをフォロー、ネタ解説)

  • 蘇生して元気になりました
  • 1時間も海の中に居たけど助かったのは、低体温症で酸素があまり必要じゃなかったから

医療的なネタ解説は1ページで、ナレーションメイン。

内容4 島の診療所で早産の妊婦さんは助けられるのか

最初の事件(好奇心を刺激、読者がCQをぼんやり設定)

被害妄想を持っていて、周りで噂されて実家の近くをうろつくのが怖いと思う妊婦さんが登場。

展開* 葛藤パート (主人公を阻む障害)

  • 成功指標: 島で居所がない妊婦さんを助けられるのか
  • 動機: みんなの病気を直したい
  • 障害:
    • 結婚相手が母国の会社から呼ばれて、一人で生むことになってしまった

クライマックス直前(困難)

  • 妊娠中毒で、胎児を取り出さないと母体が危ない
  • 胎児を取り出すと未熟児で島の施設では生きられない可能性が高い
  • 母親からは、自分の体がどうなってもいいから子供を助けて欲しいと言われる

クライマックス

6ページ

  • CQ:妊婦さんと胎児の両方を助けられるのか?

帝王切開をしたら、子供が未熟児で呼吸も自分でできなかった。 綿棒とストローを使うことで、呼吸をさせることに成功したが、低血糖に。 ブドウ糖を点滴しようとしても、腕から静脈が見つけられない。 へその緒から、ブドウ糖を注入し、ペットボトルで酸素供給することで事なきを得る。

解決パート(気持ちをフォロー、ネタ解説)

  • 無事生まれた子供を見て、反対していた父親も可愛いと感じる。
  • 子供の父親がどんな人かわかる
  • どんな事情があって妊婦さんが一人で帰島したか分かる
  • 最後には、母国に帰った父親が尋ねてくる(最後1ページの2/3だけ登場)

表現方法の工夫

専門用語はあえて出しながら、下に説明を書くようにしている。

1つの大きな話が、2話55ページ程度で作られている。 * 治療シーン:10ページ程度(治療編の話が1話分、治療以外は人間ドラマ) * 前兆シーン:6ページ(連続ではない) * 最初:3ページ目くらいで2ページ * 診断シーン:3ページ

好きな漫画の主人公の分類をしてみた

好きな漫画に出てくる主人公には、どんな特徴があるのだろうと分類してみた。

知識が得られて面白いと思える作品については、すべての場合において天才型の主人公がいた。

少年漫画としては、ほとんどが最初から知識や技量があったわけではなく、 努力して成長していくものが多そうだ。 天才が解決していく漫画に関しては、多くの場合、天才が何かの行動をして後から狙いを解説するという流れである。読者に、「どうしてこんなことをしているのだろう」と思わせたり、推理させて、種明かしすることで楽しませているのではないかと思う。

天才が解決する

→ 天才が意味不明な行動をとり始めて、なぜそんな結果になるのか解説する。

天才が葛藤する

才能ある主人公が成長する

毎回、強い敵、困難を乗り越えていく。

パッとしない主人公が葛藤する

キャラが好きで見ていた

物語の効用を考える

物語には、いろいろな効果がある。 簡単に分けると、知識を身につけるか、行動させるか。

どちらか一方しか効用がないとは言わないが、どちらのほうが比重が大きいか個人的に分類してみた。 もちろん、対象となっている行動のコストの大きさも影響しているから、一概には言えないが。

  • もやしもん
    • 知識メイン
    • 発酵食品や飲料を食べたり飲んだりするくらいの行動には結びつけているのではないか
    • 農学部に進むのはコストが大きすぎて難しいだろう
 * どちらかというと、これまでしていた食事や飲酒のときのネタが増えるのだろう
    • 他の知識系のマンガに比べても、深く知識を教えている。
  • 銀の匙
    • 知識メイン
      • 農業高校に進むことはコストが大きいすぎる
      • 農業高校ならではのネタが序盤では大きく使われている。
  • 焼きたてジャぱん
    • 知識と行動バランス型
      • パンを食べるのはコストが小さいので食事に対する行動は影響するだろう
      • しかしパンを作るところまでは至っている人は少ない様子
      • 難しい知識も入るが、そこまで密度は高くない
  • ゆるキャン
    • 行動メイン
      • 細かいキャンプのときのテクニックを教えるところは少ない
      • 美味しい、きれい、気持ちいい(お風呂)、楽しいなど、感情を大きく表現している。
      • キャンプに行った人が装備がしょぼすぎて凍死寸前になっていたのも、ここが要因かも。
  • マンガで分かる心療内科
    • 知識メイン(知識密度高い)
      • 心療内科が自分の院への集客でやっているのかもしれないが、知識の方が多い
 * 知識密度が高すぎるからか、ギャグが多くストーリー性が少ない
  • ゼクシィの結婚式マンガ
    • 行動メイン
      • 式場がスポンサーで作っているから、当たり前だが。
      • 結婚式で起きる幸せなストーリーを伝えて行動に踏み切らせようとする
        • 結婚式でこれまでの感謝の気持を伝えたら、お母さんの涙を初めて見た
        • 庭でやる予定だったことが雨で中止に。代わりに彼がハートの傘を用意してくれた
        • 病気の父親が式のためにリハビリを。ずっと涙を流していた。
        • 友達が背中を推してくれて、本番でも写真を撮ったりいい思い出ができた。
    • 動機づけの期待価値での分析
      • 価値
        • 誰かの感謝
        • 楽しい思い出づくり
      • 期待
        • 友達や親が手伝ってくれるという話で、そういったケースも使ってできそうと思わせる。
        • 式場に対して、丸投げにならないような期待値コントロールがされている

感想。焼き立てジャぱんで出てきた用語はよく覚えていたものだが、一般的にはそうでないのだろうか。ざっとこんな感じ。 バイタルグルテン、フランスパンで水分を沢山含んだリュスティック、発芽玄米酵母、クロワッサンはバターと生地を重ね合わせる、メロンパンはクッキー生地をパン生地の上において焼く、具材を挟むパンをフランパンで潰してパニーニを作ることで美味しくなる、砂糖がなくても甘くなる小麦粉がある、フランスパンは長くして美味しくできる、フランスパンは中のクープが一定の大きさ担っていると美味しい。

信頼されたときにやったこと

少し前に、信頼できると言ってもらえた。 そのときに何をやったか振り返る。

信頼の構造的に、信頼は人間性と能力の2つに分かれるが、ここでは人間性の部分を想定して考える。

一言で言うとひたすら対話した。

不安なことを列挙してもらい、その結果どんな悲しいことが起こるのかを掘り出した。 問題構造を聞いた。 その人を取り巻く環境、起きたら辛いことは何なのか。

そして、それを軽減する方法や、そのための取り組みの計画を立てた。

他には、あなたが不利益を被らないようしたいから教えてほしいと伝える。 自分のためにだけではなく、あなたのためにやりたいと伝える。

1番困っていることが軽減するように、直接的なアクションをする。

振り返ってみると、これからの自分の行動次第でいくらでも信頼は失われうる。 自分の取り組みの結果として、対話の時に形成された事前期待にそう行動をとれているかが影響するだろう。

結局のところ、信頼してもらうと言うことは、意図を理解してもらい、頑張っているように感じてもらうことも必要なのではないだろうか。

過去に組織開発をしていて、従業員満足度の高いマネージャーは、成果を出した人ではなく、成果を出そうとしている取り組みを部下に説明している人だった。

継続的に信頼関係を確認したい。