「教材設計マニュアル」の教材作成プロセスとテストについて

技術書典で、本を書くにあたり教材設計マニュアルを読んで学習した。 まなんだことのメモを残す。

インストラクショナル・デザインの第一人者である鈴木克明先生の著書を参考にしています。

教材作成プロセスについて

どんな状態から、どんな状態に変化すればいいのかゴールのデザインをする。 入り口と出口の設計ともいわれる。

入り口では、教材を学ぶための前提知識(二次方程式が解けるなど)が無い場合と、教材で学ぶ内容をすでに得ている場合は、事前に弾く。テストを2つ用意して、前提知識と教える内容の理解度を確認して、前提知識は満たしているが、教える内容を理解していない人に教材は提供する。

出口では、自分の教材を使ったときに得られているであろう知識の確認をする。 ある意味、そのテストが教材の質としてのKPIである。そのテストを回答できるように教材を作成する。

教材を作るときには、教材を作ったらテストをしてもらい、出口のテストを通過できるか確認していく。 周りの人に教材を使ってもらい、出口のテストを突破できるかを確認しながら教材を改良する。 もちろん、必要に応じてテストも改良していく。

テストについて

テストには、認知・運動・態度がある。

認知は、頭の中で起こる思考を変化させるというもの。一般的な学校のテストのように、問題を解かせて溶けたかどうか確認する。

運動は、体育のテストのように体を動かすものであるが、他にも実技試験も含まれる。 頭で理解したことが現実で使えるかわからないのでやる。 フライパンの温度が高すぎてはいけない、卵を巻かないといけないと理解していても、卵焼きを焦がさずに作れるとは限らない。なので、実際に卵焼きを作らせてみるテストである。

態度は、印象を聞くことと、意図を聞くことの手法が推薦されている。 印象を聞くとは、アンケートのような項目で、どう感じたかなどを「きれいーきたない」などを5段階で答えてもらう。 意図を聞くとは、「あなたの娘が韓国人と結婚しようとしたらどうしますか」などの質問をする。 こうすると、「人種差別に対してどう思いますか」と直接的に聞くよりも本音がで出やすいのではないかとのこと。

こちらの本に載っている内容とは違うが、別の文献「自分を知り、自分を変える―適応的無意識の心理学 」では、行動観察なども無意識の心理学では有効な手段だとされている。