モチベーションの12の理論 6章 フロー理論まとめ
- フロー理論とは
- フロー理論の位置付け
- 特徴と生起条件
- フローとは内発的に動機づけられた自己の没入感覚を伴う楽しい経験
- フローは人の最適経験
- 具体的には
- ロッククライマーが岩登りに夢中になっているときに自分が自分であるという意識がなくなる
- 自転車競技の選手が自転車を含む1つのシステムになったように感じる
- 主な特徴は、「内省的意識の喪失」であり「行為と意識の融合」である
- 時間が早くすぎるように感じる
- 活動の最終目標が、活動を行うことの理由付けになる
- 生起条件
- 難しさのレベルが行為者のレベルと釣り合っている
- 瞬間瞬間の目標が明確でフィードバックが即座に得られる
- 日常生活をフローの生起条件を満たすように構築すればフローの源泉になりうる
- 発達のメカニズム
- フローは自分の能力と活動の難度がつりあうと発生する
- 能力と難度が低いレベルでも、つりあうと楽しむことができる
- 活動を通して自分の能力が高まると退屈に感じ、課題の難度を上げる
- 難度高い課題に取り組むと能力に不安を感じ、能力を向上させる
- 不安と退屈は不快なためフロー状態に戻ろうとする
- 能力と難度が高いレベルで釣り合っていても安定するわけではないので能力が上がると難度も上げる
- フローを経験しやすい人の特徴
- 外発的な報酬のためではなく内発的な行動にフローを経験やすい
- 外発的な報酬は、社会的評価や将来の金銭利益など
- 内発的な行動は、行為自体に喜びや楽しさを見出しやすい
- フローは誰でもが経験できるわkではない
- 大学生への調査でも27%がフローを経験したことがない
- フローを経験するための重要な条件に意識の統制をもたらす注意のプロセスがある
- フロー経験の頻度を決める要素
- 外的:活動の持つ方向性や構造
- 内的:どのように捉え、どの程度心的エネルギーを注ぐか
- フローを経験しやすいほど高い数値を得られるもの
- 集中力
- 楽しさ
- 活動度
- コントロール感
- 自分への満足
- 将来に対する重要性
- 重要そうでないテレビ視聴に関しても、将来への重要度、集中や状況のコントロールを感じている
- 外発的な報酬のためではなく内発的な行動にフローを経験やすい
- フロー経験がもたらすもの
- 17歳までに自分が優秀と認められた分野に没頭し続けた生徒は13歳時点でフローしやすく活動に不安を感じづらかった
- 数学の授業過程で前半にフローを経験することが多かった生徒のほうが後半での成績が良かった
- レジリエンスの研究では、フローの経験が非行の減少と関連があったとされる
- フローとWell-Beingの研究
- フロー経験の頻度と正の相関のあったもの
- 自尊感情
- 人生における満足度
- 生きがい感
- 日常生活における充実感
- フロー経験の頻度と負の相関のあったもの
- 日常の不安
- 授業への意欲低下
- 大学生活の意識低下
- 職業選択に関するモラトリアム状態の三側面
- 活動の延期、混乱、回避
- 因果関係は認められない
- ポジティブな発達を示唆する
- フロー経験の頻度と正の相関のあったもの
- 授業中にフロー経験にある割合によって期末の成績を予測することが可能である
- より多くのフローを経験させれば、学びの態度や行動を育成して成績を上げられることを示唆する