科学的概念を身の回りの課題に適応する

結論

  • 何かの課題を解決しようとして理論を学んでも適応するのは難しい
  • なぜなら、現実の課題は複数の要因が絡まっていることが多い
  • 何かの課題を解決したいなら横断的に理論を知っている人や複数の分野の専門家に聞くのがよい

本文

入門的な科学的概念は、現実に適応するのは難しい。 それは、なぜか。 全ての事象を話すのは難しいため、簡略化した重要なところだけ説明するからである。

教育心理学概論にもある子どもがボールを蹴る話を考える。 いきなり、たくさんの事象を学ぶのは大変である。 ボールがなぜ遠くまで飛ばないのか、これくらいならこうだ。など、考えていたとしても ボールの速度が減衰する要因を全て説明すると難しすぎる。 理解しようとすると等速運動の話やメカニズムを説明して、その上摩擦の話まで理解しなくてくてはならなくなる。

理科の授業だと何年もかけて学んでいきやっと現実の問題を理解できるように、一つ一つ教える。 そして教えるときには、何かの事象に対して横切りではなく、似た理論を一緒に説明して理解を高めていく。 それは、なんの分野を学ぶときでもそうであろう。

理解を深めるために、ベースの知識がないとわからないこともあると、それも段階的に教える。 また、似た理論を一緒に学んでいくことで理論を抽象化して分野に対する理解を深められる。 などがあり、何に役に立つから学ぶ的な外発的な動機づけではなく、その分野自体が面白いという内発的な動機で学んでいく。

では、どうするのがよいのか。 何かの課題を解決したいなら横断的に理論を知っている人や複数の分野の専門家に聞くのがよい。 これは、学問の世界でも活用されている考え方である。 基礎的な学問は応用的な学問に多く活用されている。 情報工学にも、学習科学にも、認知科学の研究者は入っているし、認知工学も 神経科学や哲学や心理学などがあつまってできている。

人は解決策という枠組みを持っていないと課題を見つけられことすら多いので、 人にレビューしてもらうことで解決に近づくのが最も短期的な解決方法であろう。

長期的に解決しようとするのであれば、自分で多くの分野を横断的に勉強するのも1つの解決策である。