教育心理学概論の読書会第一回に参加しました

概要

先日、内輪に開催された教育心理学概論の読書会に参加しました。 一度通して読んでいたのですが、知識ジグソーを実践してみる読書会に参加し理解を深めました。 今回は、初回ということで2から4章を担当割りして行ないました。良い学びになった部分をメモとして残します。

教育心理学概論 (放送大学教材)

教育心理学概論 (放送大学教材)

メモ

2章

まとめ

認知過程は人によって異なる。 同じ問題を問いたからといって、同じ解き方をしたとは限らない。「10×10=100」と答えても、足し合わせたのか、 答えを知っていたのか、答を探してきたのか、など。

りんだ問題では、「りんだは31歳で原子力のデモに参加してきた」という情報から、2つの 「りんだは銀行の窓口業務です」「りんだは銀行の窓口業務で、女性運動に取り組んでいる」のうちどちらがありそうか答える。 前者を選ぶ人は論理的に考えていて、後者を選ぶ人はりんだを想像して考えている。 考え方の枠組みの違いから発生する。

答えではなく答えに至るまでの考え方を話してもらうことが良い。相手の使っている枠組みを知ること。

議論や学んだこと

学ぶということは、枠組みをアップデートすることですよね。

相手が素朴理論で自分の経験について話をしていることが多いので、 自分の想定した問題を問いてもらい、過程について話をしてもらうことが必要だと感じた。

3章

まとめ

経験から学ぶ仕組み。「火曜+水曜=金曜」という計算をしたあとに、「m+b」は?と聞くと前回の曜日計算のルールを使って「o」だと答える。

学んだことによる制約。 人は自分が正しいと知っていれば、自分が確かめていなくても、他の人もそれくらい知っていると思う。 「ミシシッピ川の長さを知っている人は?」と「ミシシッピ川は3779mです。ミシシッピ川の長さを知っている人は?」2つ聞くと 後者の方が長く多くの人が知っているように感じる。

正しいと思ったことを確認しようとする確証バイアス。 8-10-12の規則は?と聞かれたときに、正答は右になるほど数字が大きくなるだけだとしても、2ずつ増えていると思うと、それしか確認しない。

部屋にぶらさがっている短い紐と短い紐を結んで欲しいと言われたときに、他の人が紐を揺らしてヒントを出しても、なぜ上手くいったか説明できない。 ヒントがあったから分かったと説明できない。

議論や学んだこと

最後の紐の問題は、成功した起業家だから起業について教えられる、アドバイスをできるわけではないという事が分かる。 何をしたら再現するのか分かっていない。自分が理論を作るときには、和波さんのように臨床して再現性を出さねば。

4章

まとめ

おおざっぱに書くと内容は、「人の学習は、いままでに学んできた知識を元に行なわれる」である。

3ヶ月の幼児に対して、「窓から手が出てきて箱の上に箱を置く実験」と「窓から手が出てきて箱を空中に浮かせる実験」を行なうと 後者の方が凝視時間が長く、驚いていることが分かる。

名詞の方が強い印象を持つので、「常に人参を食べる人」よりも「人参食べ屋さん」と伝える方がより人参を食べる印象を与える。

子供に対して、4から9歳の子供に対して支点の上に木の棒を置いてバランスを取る実験をしてもらった。 年少、年中、年長の3つのグループに分けた。木の棒で中におもりを埋めこんで真ん中でバランスが取れないものに対する対応が年次によって違いがあった。 年少は理論を持っていなかったので思考錯誤しながらバランスを取った。年中は棒の真ん中に重心があるという理論を自分の中に持っていたので真ん中で バランスを取ろうとしてうまくいかなかった。年長は理論を持ちながらも例外があるということに気づきバランスを取った。

自分の過去の経験により、取る行動や結果が変わってくる。

議論や学んだこと

幼児に対して人間の顔と猿の顔を見せて違いが分かるかどうかの実験をするときにも凝視時間を使う。

名詞は議論するときにも、聞いたときに全員が違うことを想像していても同じ名詞を指していることがあり、 合意は得やすくなる。しかし、違った認識の上での合意になりやすいので、議論で認識を合わせたいときには、 名詞はできるだけ使わないようにする。

過去の経験により学習が上手くいかないことは、人に対してアドバイスをするときにも良く発生した。