教育心理学概論の「わかりやすい説明がバブル型の知識を生む」を職場の実情と照らし合わせる

教育心理学概論では、わかりやすい説明がバブル型の知識を生むとのことだった。 そこで、職場での応用を考えてみた。

バブル型の知識とは、科学的な概念や原理原則を理解している教師が、生徒に対して分かりやすく説明することで発生するとのことであった。これは、生徒の経験と結びつかないことが原因で発生するようである。 バブル型の知識になると、2つの問題があり、使われないと忘れやすいこと、文脈が違うと使えなくなることである。

たとえば、等速直線運動について説明を受けたところで、普段のボールを蹴った経験は途中でボールが止まってしまうからである。

また算数において、理想的な状態は三角形の面積がどうして底辺かける高さ割る2になるかを自分の言葉で説明できる状態だそうである。 しかし、これを理解せずとも、三角形の面積の求め方を覚えて、三角形の面積の求められるように訓練できる。 これは、バブル型知識になっているといえる。 そうすると、未知の問題、例えば台形にであったときに三角形が2つあると解釈することが発生しづらい。

職場では、このようなことがあるだろうか。 職場で考えると、むしろ多く発生しているのは、三角形の面積の求め方を先輩から教えられて、そのまま三角形の面積を求める作業をし続けているのではないだろうか。 その人がもし成長したら、台形からの面積の求め方、長方形からの面積の求め方など、少しつづ教えていくことで作業を身に付けさせていく。 こうすると、文脈が違う場面で応用が効かないので、実は三角形の面積の公式を使わないほうがいい場面でも適切な知識を選べないことになったりする。

プログラムの書き方、など先輩のやり方を見ながら真似をしていく。先輩に質問をしながら問題を解いていくなど、多くの場面で見受けると言うか、むしろ最後までそれで終わってしまう。 しかし、意味を理解していない場合、別の場面でもおなじことをして怒られながら学んでいく。

その作業をするようになった成り立ちみたいなものを学ぶことはほとんどないかもしれない。 だから、どの場面で何を使うのが一番いいだろうと考えることもなく、日々を過ごしてしまう。

もう1つの困る場面としては、研修ではないだろうか。 研修でこういったマーケティングがいい、こういったマネジメントがいいと学んできたところで、 現場では起きていることが違うから、実施できないなと思って辞めてしまうのである。

これを解決するためには、この要素を使うことで自分たちの現場ではどのようなことができるかについて、検討するのが良いだろう。 多くの時間を使って、自分たちの現場での制約や文脈を加味しながら、どう知識を使っていくか。 また、上手くいかなかった場合は、何をするのが良さそうか検討することができると考えられる。