人が何か感じるときの認知過程について認知行動療法から学んだメモ

認知行動療法実践ガイド:基礎から応用まで 第2版 -ジュディス・ベックの認知行動療法テキスト‐  を読んで気になった部分を抜粋します。 認知行動療法をまとめられるほどではないので、完全にメモです。

内容

認知行動療法では、認知モデルを使って、人が出来事から受ける影響を理解する。

状況/出来事→自動思考→反応(感情、行動、身体)

人の感じ方を決定するのは、状況ではなく、状況に対する解釈。 自動思考に人が気づくことは稀である。しかし、そこから起こる感情などの身体反応については遥かに気づきやすい。感情や行動の変化に目を向けることで自動思考が同定できるようになる。

さらに、自動思考には、信念が影響して形成される。 信念は、幼い頃、発達の初期段階から自分を取り巻く環境を理解するために、経験を組織化しながら作られていく。認知行動療法では、非機能的な信念を修正して、機能的な信念を形成して強化していく。

中核信念→媒介信念(ルール、構え、思い込み)→自動思考

  • 構え:失敗するのは恐ろしいことだ
  • ルール:もしそれが手におえなさそうだったら、あきらめよう
  • 思い込み:何か難しいことに手を出すと、自分は失敗するだろう。それを避ければ、自分は安全でいられる。

できるだけ早く信念を修正することが患者のためになるが、初期段階から修正を試みると信頼を失わせて治療関係を危うくしかねない。なので、まずは、自動思考を同定したり修正することに焦点をあてて、中核信念を直接的に修正しようとはしない。 自動思考を同定して、距離を置くことを教える。

患者は、自分の思考が広範囲に渡って偏っていることよりも、特定の場面における特定の思考が偏っているということのほうが受け入れやすい。 表層的な認知を対象とするワークで安堵する経験を積み重ねることで、非機能的な思考の背景にある信念を検討することを受け入れられるようになる。根本レベルの信念を修正することで、将来の再発が防止できる。