安易に「私は向いてない」と思わせないメンターの励まし方のアイデア

向いてないと考えることは、悪いことではない。向いてないことを早く諦めて向いてる事にリソースを導入するのは、効率よく仕事をするために必要だろう。

しかし、物事は初期段階と習熟してからでは必要になる能力や資質が違うから成果を発揮できない、やり方を知らない、似た経験が無いなどなど、将来的に成果を発揮し得る人が最初は成果を出せないことも多い。

その時、「向いてない」と考えてしまう現象を心理学の分野では、原因帰属の理論で説明されている。 人は原因を考えるとき、その原因が自分にあるのかどうか、変わりうるものなのかどうかの二軸に分類できる。このとき、自分にあって、変わるものだと思わせられると、向いていないと考えるのを回避できる。

原因が自分にあって変わらないものだと、「才能がない、向いていない」 原因が自分にあって変わるもの「やらなかったからだ、やり方が悪かったんだ」 原因が自分になく変わらない「アサインがよくなかったんだ、こんな行動をする後輩が悪いんだ」 原因が自分になく変わる「たまたまよくない案件に当たってしまったんだ」

解決策としては、いくつかある。

原因帰属にたいしては、原因が自分にあって変えられるものを考えるようにする質問をする。 やり方をどう変えたらうまくいくと思うか。なんの知識や技能が身についたら出来るようになると思うか。など、問うてみるとよいのではないか。

特に、教育関係の仕事においては、よく後輩や受講生など指導対象を原因としてあげることが多いので、そう行った場合は、そのために何かできる事は?など、自分の行動を変えるように促すことができるのではないだろうか。

他には、向いている・向いてないの比較対象や比較軸を変えるなどもあるだろう。他の人ができているかいないかでなく、自分の中ではどうか、別の観点で見ると優れているなどもよいのではないか。