何かに対して取り組んでもらうために動機づけする方法論
動機づけは多くの場面で必要になるので、動機付けの方法を考えてみたい。
今回の動機づけの位置付け
今回は教えることにフォーカスしたARCSモデルなどではなく、物事を達成することにフォーカスする。 何かに取り組まないという状態には、いくつかの理論がある。 方法としても、動機づけを内発的な動機にするか、外発的な動機にするかで大別できるが、比較的簡単な外発的な動機づけを考えたい。
外発的な動機付けの中でも、今回は有機的統合理論の自律的な動機にあたる、同一化調整や統合的調整に分類されるような接近的な動機づけについて考える。
利用する理論
過去のメタ認知の記事メタ認知における方略が使えない状態について調べたことでも書いたが、得られるリターンと必要なコストについて考えるようであった。
また、達成動機づけの中でも期待価値理論では、課題を達成するためには、個人的な特性、主観的な成功確率、成功時の誘因が関係するとあった。また、失敗の確率や、失敗の誘因も影響する。
考えること
どちらの理論も親しいこと述べている。 今回は、個人的な特性に関しては触れず、他の部分を考慮したい。
すると、何かに取り組んでもらうことを考えると、そこから得られるものの価値を伝えて、成功率を上げられることを理解してもらえばいいことになる。また、失敗したときに何かを失うとすると、その失敗時の発生する問題の軽減方法を理解してもらえばよいのではないか。
- 成功時に得られるものの価値を伝える
- 何かの情報を伝えることで、主観的な成功率を上げる
- 失敗時のリスクやコストを軽減する
成功時に得られるものとしては、社会心理学的な観点だと相手の価値観によって換算される価値が異なる。 相手の価値観を理解して、それを満たすものを紹介する。 相手に合わせて説明できない場合は、多くの人の価値観を満たせるようにいろいろな価値観に対する説明を織り交ぜる必要があるのではないか。
自己効力感などは人によって異なる。 成功率を上げるという意味では、課題の難易度を大きく見積もりすぎている部分があるため、適切な見積もりの方法や、見積もった結果について紹介するのが良い。 対話的に聞けるのであれば、どういう不安があるか、どういった事で失敗すると思っているかを確認することが良いと思える。 ありきたりだが小さな成功体験は成功への自信につながるだろう。結果として主観的な成功率を上げることになるのではないか。
失敗時のリスクやコストも同様に不安という言葉で相手に聞いてしまうのが良いであろう。 失敗したときに何を失うと思っているのか。それがわかれば、その失敗をしにくい行動を取るようにできる。
参考:
メタ認知の観点から
・方略を知らない状態である「媒介欠如」 ・方略を知っているがうまく使えない「産出欠如」 ・問題解決の促進に役立ってない「利用欠如」
・効果が低いと考えている ・コストが大きいと考えている
・ メタ認知: 学習力を支える高次認知機能 ・メタ認知における方略が使えない状態について調べたこと
インストラクショナルデザインの本より
上手な教え方の教科書から一部変更
・適切な知識を持っていない ・適切な場面で利用できない ・複数の要因を分解できない ・自分の今の状況が理解できてない ・練習が不足していてできない ## 期待価値理論についての説明