『モティベーションの12の理論』をの主張や理論4,5章分
4章人と人の関係に関する動機づけ
- 他者との関わりは学習を阻害する原因として扱われることが多い
- 他者との関わりは動機づけに肯定的な影響を及ぼしている
- 他者志向動機づけは、自己決定的でありがながら期待や願いに答えようとする
- アジアでは欧州に比べて母親が選んだものに対して動機づけが高くなる
- 承認や同調や親との関係が適応的な学習動機に対して正の相関がある
- 挑戦* 成功欲求や社会的貢献欲求は他者志向と相関はあるが自己志向とはない
- 母親による就学前の子供に対する期待が11、12歳の知的達成に影響を与える
- 望ましい親子関係の中での期待は自立的に努力する動機づけを促進することが予測される
- 親の期待が学業成績や心理への影響を調べた研究「親の期待研究の動向と展望」
- 期待の大きさや内容次第では失望や罪悪感でモチベーションを低下させることも予測される
- 社会的な達成欲求は、他者からの承認、社会的地位の獲得、家族に対する義務、社会的貢献がある
- 自己志向と他者志向は背反だけではなく双方が存在し、葛藤する場合も、統合する場合もある
- 他人の為にやったら自分の為になることも、自分のためにやったら結果他人のためになることもある
- 達成行動は意識される動機を利己的た利他的か二分法で分類すくことは困難
- 複数の動機を持って活動している場合もある
- 動機は時間とともに変化していく場合もある
5章 自動動機
動機づけの力
- 意識と無意識の問題を科学的に実証することは難しいとされていたが研究法が開発された
- 動機づけを維持するためには意識の働きが強いわけではないと考えられはじめている
- 動機づけも含む人間の精神活動の大部分は意識を必要とせず自動的に働く
- 人は意識すること無く無意識に適切な目標を設定し行動調整をする
- 目標のせっても状況の検出も選択や実行も明確に意識されずに自動的に働く
- 無意識の目標達成メカニズムを自動動機と呼ぶ
- 自動動機は、低次(運動調整)から高次(人生の決定)の目標遂行に影響する
- 無意識は意識的な努力限界を解決する重要な手がかりを提供する
自由意志の幻想
- これまで、些細な事以外、人は意識的に決定した目標に向かって動機づけられると考えられてきた
- 指動かしてもらう実験で脳波を計測したら、無意識で動いていたことがわかった
- 脳波計を付けて実験すると意識が決定する0.5秒前に運動準備電位の出力があった。
- 自由意志の感覚は、必ずしも実情を反映しているわけではないと考えられる
- 自由意志の感覚は予測したとおりの結果から作動する主観的な経験で、意志で行動をしたと言えない
- The Illusion of Conscious Will (The MIT Press), Daniel M. Wegner
- 自動販売機のボタンを押して予想通りの結果が起こったら「自分がやった」と思う
- 自由意志の感覚は予測したとおりの結果から作動する主観的な経験で、意志で行動をしたと言えない
- 人は自らの行動を意識して無くても予想した結果と予期せぬ結果を区別できる
- 人は「無意識の予測」にもどついて自由意志の感覚を体験する
- 無意識の目標と行動結果が一致していたら、自動的な因果関係推論の働きで自由意志の感覚が体験される
- 自由意志の感覚が得られるのは、習慣化された日常も、人生の重要な決定も同様
- 目標プロセスや動機づけが重要であり意識されているかどうかは問題ではない
- 無意識の力
- 目標感染
- 他者の目標が自らの行動に影響を及ぼす
- 他者の行動に関するシナリオから背後の目的が無意識に検出され読者の行動を変える
- 特定の目標や役割が期待される家族や友人の近い関係だと強く影響する
- 特定の目標を連想される集団成員(警察)や商品(PC)との接触も目標感染させる
- 自動動機の柔軟な変化を可能にする
- 無意識に活性化させるモチベーション
- 意識的な動機づけより無意識の動機づけの方が日常行動がよく予測できる
- 参考:「感情誤帰属手続きによる潜在目標の測定」及川、及川、青林2009
- 本書での参考には上がっていなかったが参考になりそうな誤帰属のわかりやすい説明
- 参考:「感情誤帰属手続きによる潜在目標の測定」及川、及川、青林2009
- 動機づけの程度は報酬に応じて変化し、報酬が多ければ動機づけは高まる
- 特定の問題に心的資源を分配するためには、他の目標への心的資源の分配を控える
- 自動動機は環境の変化に応じて新たな選択肢を創出する働きがある
- 意識的な動機づけより無意識の動機づけの方が日常行動がよく予測できる
- 目標感染
- 意識と無意識の使い所
- 目標を効果的に達成するためには、目標への集中と変化への柔軟さが必要になる
- 目標達成の失敗の多くはバランスの崩壊から説明できる
- 前頭葉の損傷は、状況への変化を損なわせる
- 意識のほうが適した場面
- 複数目標から選択が困難な場合(誘惑に打ち勝つ)
- 利用可能なスキーマが存在しない(新規の課題、自由度の高い計画場面)
- 意識的に計画を立て阻害原因と行動を紐づけておくと行動を自動化させることができる
- 集中と柔軟のバランスが取れている目標への見直しは達成を阻害することもある
- スポーツなどで意識すると逆にできなくなる現象
- 意識は、言語化された情報を重視し、言語化されてない情報を軽視する傾向にある
- 意識の効果的な使い方
- 行動や動機づけを支えることではない
- 自らの行動を信念や社会のルールと照らし合わせ自覚的に解釈すること
- 自己観を共有して社会的な現実を構築すること