ファシリテーションで論点がずれる対策-OST(オープンスペーステクノロジー)編-

概要

OST(オープンスペーステクノロジー)をこれまで10回近くファシリテーションしてきた。 しかし、対話の方向性がよくずれることに悩まされている。むしろ、論点がずれないことの方が珍しいと感じている。

そこで、今回はこれまでに対応してきた工夫と、今後への提案をしたい。

内容

前提

ファシリテーションをしていると、他の人の意見をホワイトボードなり、付箋と模造紙なりにまとめながら、議論が進行して行く。

なぜ、論点のズレが発生するか

予測としては、みんな自分の話がしたい、自分より経験が足りてない人にアドバイスしたいという気持ちが強いのではないかと考えている。 しかし、論点にあった内容を話すのならいいが、そう都合よくテーマと合致した体験や考えを持っていないため、テーマに近い話をする。論点をずらしてしまう本人は、気づいてはいないようだが、そのようなことが起こっている。

対策1 可視化しない

論点がずれていると議論を可視化しないということを試して見た。ファシリテーターの行動に異変を感じるかと思ってみたが、これに関してはお構いなく話を続ける。

対策2 可視化してズレに気づいてもらう

繋いで行くことで、ズレに気がつきやすくなってくると思ったが、あまり効果はなかった。 論点をずらしてしまう人は、論点を気にしないのでズレていても自分のしたい話をできれば満足する。

今思えば、可視化の方法を工夫することで、気づいてもらえるかもしれない。

意見

また、この件に関しては、他の参加者に相談してみた。

OSTでは、元のテーマよりも発展した面白い話ができることもあるが、ファシリテーターが論点をテーマに戻してしまうために面白い話に発展せず終わってしまうことがあるそう。

実際に、自分もテーマと違う話をすることは、往往にしてある。しかし、それが発生するのは、テーマを持ってきた人の課題を深掘りして行くうちに、テーマとは違う話をする方がテーマを持ってきた人の課題を解けると考えたからである。

対策

論点をずらさせないために最初に付箋に意見を出してもらうのが良いのではないか(そこだけならテーマに対して意識を向けさせやすいのではないか)

これまでの経験上、テーマについて話したい人、テーマの根本課題について話したい人、テーマから派生した話題について話したい人が存在するのではないかと思う。 そこで、明確に分けられる場合は途中から分離しても良いのかもしれない。二つか三つのグループに分割して話したいことに対して話をする。

また、話し合いをするときに定期的に論点を確認したりするのが良いのではないかと思う。今後試して行く。