やりたいことを仕事にする支援者が気をつける相談者の矛盾への対応

概要

これまで、「やりたいこと」実現するための相談を数多くしてきたし、受けてきた。 しかし、相談者が「やりたいこと」の言語化を間違えてしまっていることで、 相談者と支援者人の対話がうまくいってない現場に何度も遭遇した。

このとき、相談者は「見当ハズレのアドバイスをされる」と、 支援者は「適切なアドバイスをしているのに、理解されない」すれ違いになってしまう。

言語化が正しくできていないことは、相談者の問題であるが、 この改善を相談者に任せていたのでは状況は改善されない。 そこで今回は、支援者の立場から、その原因と対策について議論する。

内容

すれ違いにならないケースへの言及

前回は、こちらの記事で自己分析のときの問題について議論したが、根本的な原因は同じである。 http://sanryuu.hatenablog.com/entry/2017/10/30/010259 支援者がいる場合、こういった問題は解決しやすくなる。

前提として、起業家を含む、人は自分のやりたいことを正しく言語化できていないと仮定する。 それゆえ、やりたいことを話して、それに対するアドバイスを貰ったとしても、違和感を感じて実行できないことも多い。 逆に、これが無いのだとすると、言語化が非常に精度高くできている場合か、思考することを放棄している状態である。 後者は、極端な場合を想定すると、アドバイスをくれる人を尊敬して縋っている場合、貰ったアドバイスをすべて実行する。 または、自分で考えるのが面倒だから、教えてもらったことをそのまま実行するなどがありうる。

今回はあまり触れないが、あまり上手くいかない原因も考察したい。

どうやって気づくのか

まず、すれ違いの状況に対してどうやって気づくのか。 それは、相談者の目的に対して幾つかアドバイスをしてみたら良い。

例えば、「こういうことを追加でやれば、お金になるからバイトを辞めて専念できるよ」だったり、 「大学の研究室と提携すると、顧客から購入されやすくなるよ」など。

アドバイスに対して、相談者の反応を見る。

相談者の印象が、肯定的か否定的かを確認する。 肯定的な場合は、別の観点から、別のアドバイスをしてみると良い。 これを否定的な反応が出るまで繰り返してみる。 あえて、何かを切り捨てるなど、極端なアドバイスをしてみると拒否する否定的な反応が見やすいのではないだろうか。

原因に応じた対策

否定的な反応が感じられた場合に、何がその拒否の気持ちを産んでいるのか確認する。

CASE1 何か正しい知識を持っていない場合

「なんで仕事が取れないのに、営業をお願いしないの?」「雇うお金がないじゃないですか」 「成功報酬で仕事を取ってきてもらった3割を渡すのならどう?」「いいですね」

こちらは、先にお金がないと仕事を確保できないと考えていることが分かる。 相談者と支援者の知識差が原因で発生する。 これは、支援者が情報を提供することで解決する。

CASE2 言語化している条件が足りなかった場合

「なんで仕事が取れないのに、営業をお願いしないの?」 「他の人とコミュニケーションをするのが嫌なんです」

こちらは、「プログラムを仕事にしたい」という目標があったとしたら、 「他の人とコミュニケーションをせずに、プログラムを仕事にしたい」という条件に変更する必要がある。 この、矛盾した状況のときに、支援者が足りていない条件を一緒に探すことで解決しやすい。 しかしこの場合にも、相談者の知識が足りなくて条件が異なったりすることもある。 この会話だけだと、コミュニケーションを口頭だけだと勘違いしていた場合に、チャットでのコミュニケーションをすることに気付けずに選択肢が狭まってしまう。 そのため、条件を狭める場合には、先にチャットでも嫌なの?とか、他の手段も聞いた上で考えたい。