認定スクラムマスター研修に参加しました ワークショップ編

概要

James O.Coplienさんの認定スクラムマスター研修に参加しました。自分は、スクラムマスター歴4ヶ月程度で、基本的なセレモニーのやり方を理解をしていたのですが、基礎的な考え方の部分が不足していました。内容が多すぎて膨大な量になりそうなので、講義とワークに分けて残します。4つのワークを通じてワーク理解を深められたので、それぞれのワークについて実施できるように手順と思いを残しておきます。

講義の方の備忘録はこちら。 sanryuu.hatenablog.com

ワーク

改善のワーク

改善のワークでは、15人程度で輪を作り、下の名前の昇順にボールを回していく。 最初の人が手を触れてから最後の人が手を触れるまでの時間を計測する。 最初に一度実施し、タイムを測る。そして、ふりかえりとして、どうやったら改善できるか考える。 そして、実施とふりかえりを繰り返す。

全員がルールをオーナーに確認しながら改善していくことがねらい。 人の順番は変えてもいいのかや、同時に複数人が触っていてもいいのかを確認して改善していく。

自己組織化のワーク

15人程度で輪を作る。最初に自分のこころの中で2人だけ決める。 その後、全員が「こころの中の2人」と等間隔になるようにして欲しいと伝える。 AさんがBさんとCさんを選んだなら、Bさんとの距離と、Cさんとの距離が等しい状況を目指す。 次に、どうやったら最短で最適解に近づけるか数人に聞いてみることで考えてもらう。

答えは、みんなが自立的にちょっとずつ動くことで最短時間で全員が等間隔になる。 マネージャーが管理していたら非常に遅くなってしまうので、 全員が自律的に動けるようなるのが早いことを知ってもらうのがねらい。

見積りのワーク

5人1組くらいのグループをいくつか作る。今回のワークは時間制限があり13分であった。 最初に忘れずに一気にルールを伝えることがポイント。 その後、講師がどんなものを作って欲しいかのビジョンだけ伝える。 今回は、庭のある茶室であった。「景色の良い庭があり、ししおどしが見えて、うちかべがあり、石の道がある」のようにおおざっぱに。 そして各チーム毎にプロダクトバックログを作る。そして費用対効果の高い上位10個に絞ってもらう。 最後に、ホワイトボードに全チームで1つのプロダクトバックログ(上位10個のアイテム)を作ってもらう。 時間内にプロダクトバックログを終わらせるには全員が協力しないとできないので、協力体制を作る必要がある。 ほとんどの研修で上手くいかないようで、時間を追加することが多いそう。

次は、その共通のプロダクトバックログを元に全チームで見積りをしてもらう。 また、見積もりはベースラインを決めて2として、相対値で計算してもらうことや、 見積りの大きい人と小さい人が話し合うなどのプランニングポーカーの話も説明する。 ホワイトボードにプロダクトバックログを書き、マトリクスにして横に全チームの見積りを記入する。 大体、同じくらいのベースラインになっていたりする。 講師が質問で、「見積りの合計値が一番小さいところが安く作ってくれるところですか」と問う。 正解は、相対値なので小さいところと、大きいところに優劣はない。 見積りの一連の流れを経験してもらい、相対見積りの特徴について理解してもらうのがねらい。

ベロシティゲーム(模擬スクラムのワーク)

ベロシティゲームは、5人1組のチームを複数作って行なう。 やることは、複数のミッションカードを渡されるので、それをできるかぎり多く完了させることである。 ミッションごとに価値が書かれていて、そのミッションをクリアすると価値分の金額が貰える。 ミッションカードの内容は、計算問題や、山札から2枚抜かれたトランプを見つける、トランプの家を作る、風船を膨らませて直径40cm以上にする、ぼうしを折るなど。 加えて、ミッションは同時に複数実施することができず、全員で1つずつ生産するルールである。

時間は、見積り5分、計画5分、チームのベロシティの見積り1分、実施15分(実作業時間3分)、ふりかえり5分。 見積りでは、それぞれのタスクに対してポイントの見積もりをする。普段のスクラムのようにポーカで見積もる。 その後、どうやってスプリントを成功させるかの計画を話合う。次に、ミッションを実施する。 実施時間は、作業の持ち時間が3分のためスクラムチームが作業をしている時間だけ時計を進める。 確認のためにプロダクトオーナーを呼びに行く時間や、トランプをシャッフルしている時間などは 持ち時間を減らさなくても良い。プロダクトオーナーのオッケーが出れば価値の金額を得て 次の課題に行ける。見積のミスなど達成できないときには破棄することもできる。破棄したものは再度実施できない。 途中、邪魔をする役の人も居てプロジェクトの邪魔をし始める。そのときは自分がスクラムマスターだと言い邪魔をやめさせる。 実施が終わると、振り返りを行なう。次は何をしたら良いかなどを話す。そして、ベロシティをホワイトボードまで書きに行く。

ねらいとしては、スクラムの流れを経験すること、プロダクトオーナーと話すことの重要性を感じること、 スクラムマスターとして邪魔を排除することがある。 プロダクトオーナーと話すことで、意図していないプロダクトを作って工数を無駄にしないことを気付いてもらう。 計算問題であれば答えをくださいと伝える、トランプであれば伏せられた抜いたカードを見せてもらうことで、 計算することが目的ではなく正当を書いた回答用紙が必要だと気づける。 計算問題に対しては、手計算するのが目的と感じたチームもあり、電卓も使わずに時間をかけて計算していたところもあった。 帽子を折るに関しては、帽子のサンプルが渡されるので、それ通りに折るように思ってしまうが、頭の上に乗れば帽子と認めてもらるなど、 現場で、プロダクトオーナーと密にコミュニケーションすることを習慣にできるようにしていた。 また、スクラムマスターとして、他の人が仕事をお願いしてくる場合に排除することを習慣付けさせようとしていた。

まとめ

ワークをすることで、座学で学んだことが実感に変わるので、特に未経験の人には非常に役に立つと感じた。 自分は「学びをいかに得るか」に注力するため、少し冷静に見ていたが他の参加者は競って楽しそうだったので、 楽しく学べることで非常に意義があると思う。また、「ワークが楽しかったからスクラムを現場で取り入れてみようと思う」という人も居た。 スクラムを学ぶこと以上に実施する気にさせることに大きく貢献しているようである。