フィルタから逆算したアイデアを出すためのインプットについての考察

概要

サービスアイデアを大量に出さないといけない場面になったため、アイデアを大量に出した。 過去に行なったブレストでは、実現性を後回しにして、有用性からのみ考えることをしていた。 結果として、アドバイザの方と話をするときに「それ、実現できるの?」というアドバイスにて何度もボツになった。 振り返ると、「デザイン思考の3つのレンズ」で上げられている部分にて篩にかけられていた。

そのため、今回は「事前にフィルタを決めて、逆算してフィルタを通るもの」を考えた。 結果、その方法で考えたものは、アイデアをまとめる段階でボツにものが少なかった。 なので、「事前にフィルタを決めて、逆算してフィルタを通るもの」を考える方法について記録しておく。

内容

既存のアイデア創出手法で感じた問題点

ブレストの目的としては、他の人のアウトプットを使って自分のインプットを増やすことで、 多くの情報に触れアイデアを出していくところにあると思う。 しかし、サービス案として、そのまま活かすことができないアイデアが多く、 発散はするが何にも使えない情報が多数出るだけになった。

実際にブレストをやってみて有用だと思ったことは2つある。 1つ目は、他の人のアイデアから、それに近い記憶にある他の有用な情報を引き出せた時。 2つ目は、他の人のアイデアを抽象化するなどして、自分のアイデアに活かす方法もある。 しかし、それを目的にブレストをし、そのまま次のフェーズに進むにしては、時間効率が悪いと感じた。

結果として、他の人のアイデアに被せてアイデアが磨かくことはできず、アイデアの発表会とさして変らない結果となった。

フィルタを決める

今回は、デザイン思考の3つのレンズでフィルタリングする。 過去のアドバイスを元にすると、デザイン思考の3つのレンズの観点で何度も弾かれたからである。

リーンキャンバスでのフィルタリングも考えたが、項目数が多く、 最初のアイデアのフィルタリングとしては向いていない項目が多い(主要指標、チャネルなど)と感じたためである。

デザイン思考の3つのレンズは、有用性、実現可能性、持続可能性の3つからなる。 今回は、デザイン思考の3つのレンズを使って最初のフィルタリングをするが、 同様のアプローチをすることで、別の選定基準でも有効に使える。

フィルタを通るものを考える

闇雲に撃ってフィルタを通るかどうか実験するのは効率が悪い。 ならば、逆に「フィルタを通っているものを使ってアイデアを作ればいいのではないか」という仮定の下、 アイデアの出し方を工夫する。

有用性

有用性は、「ユーザの課題を解決しているか」を表わす。 有用性のあるアイデアを出すためには、ユーザの課題を分析するための行動観察やインタビューからユーザの情報と、 ユーザの課題に関する専門知識をインプットすると良い。

有用性のあるものを考えるためには、目標を達成している状態など、ユーザの理想的な形を考える。 そこから、現状のユーザの行動を分析して、目的を達成する上で障害になっていることを確認する。 例えば、整体に行く人の行動を見てみると、 「頭痛を回避(目標)するために肩こり直して(短期的な解決)、肩こりの原因である姿勢の悪さ(根本的な問題)を直さない」ことが上げられる。

有用性を考えるためには、ユーザの課題に関する専門知識があると特に良い。 肩こりという健康上の課題を解消するのであれば、健康の知識が必要になる。 学習の継続ができないというモチベーション上課題を解決するのであれば、モチベーションの知識が必要になる。

上手く理論を使っている例としては、「iKnow」や「Studyplus」など。

実現可能性

実現可能性は、「アイデアを形にするための技術やリソースはあるのか」を表わす。 実現可能性のあるものを考えるには、既存のサービスや技術を調査して実現方法を集めると良い。

どんな仕組みを作ることで、解決できているのか。 例えば、DeepLeaningを使うと、大量の画像と分類から特徴を抽出して分類できることや、 似ている購買情報のユーザが購入しているものを進めるには強調フィルタリングを使えば実現できるなど。

技術雑誌からやビジネス雑誌から技術の名前を探し、SlideShareで仕組みについて勉強することが時間効率が良かった。

持続可能性

持続可能性、「サービスを継続していくことは可能なのか」を表わす。 持続可能性のあるものを考えるには、持続性を工夫して製品として成功しているものなど、ビジネスモデルに着目して調査する。

例えば、弁護士ドットコムは、弁護士のマーケティングの場と、法に詳しくない人が相談する場をマッチングしていて、 弁護士から上位に表示するための広告費用を、法に詳しくない人からは多くの回答を見るなどの特別機能を販売している。 クラウドサービスは、従量課金制にしてリソースを使った分だけ支払う形にしているので、 アクセス数が一気に倍増するAKBの総選挙のときだけサーバを増やすようにできる。

こちらは、ビジネスモデル全史を参考にすると時間効率が良かった。

まとめ

フィルタから逆算して考えることで、ボトルネックになっていた「実現可能性」や「持続可能性」でボツになることが少なくなった。 今回は、デザイン思考の3つのレンズを元に分析した。 今後は、またアドバイザの方からアドバイスを貰いながら、新たな観点を追加してフィルタを改良する。

参考文献