勉強会「スタートアップのための新規サービスの作り方」開催しました

概要

プロダクトオーナーとしての知識を付けるための勉強会であるPOStudyで学んだワークショップを、株式会社アキュトラスにて開催してきました。 プロダクトオーナとして有用な、カスタマージャーニーマップ、バリュープロポジションデザイン、ビジネスモデルキャンバス、ユーザーストーリーマッピングを 一通り体験してもらいました。

自分としては、ある程度に事前に学んだ上でPOStusyに参加してワークショップをやってみたら予想以上に上手く進めることができたので、 開催してみました。といっても参加チームが1チームだったので深くアドバイスすることができました。 POStudyでの内容に加えて気をつけたことなどをメモとして残していきます。

予定が合いましたら喜んで開催いたしますのでご興味のある方は、お声掛け下さい。

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進行

課題設定

最初に、今回のワークショップを通してビジネスの題材として取り組むための課題設定を行ないました。

全体の流れとしては、以下です。

  • 全員の課題をブレスト
  • ドット投票
  • 課題決定

全員で取り組む課題として話して課題の列挙をしてもらいました。

全員が持っている課題だとジャーニーマップを書く前にペルソナ作成のフェーズを含めないと話がまとまり辛いと思いまして、 今回は時間も限られていてペルソナ作成をする時間が足りなかったため、1人を仮にペルソナとして進めるためにあえて1人だけが持っている課題に設定しました。

カスタマージャーニーマップ

次のフェーズとして、課題を持っていた人をユーザに見立ててインタビューしながらカスタマージャーニーマップを作成しました。 今回のワークは、前工程で作成したものを使って、後ろの工程のワークを行なうので、ここの出来が悪くなると後のワークの進行がしづらくなると思い かなりアドバイスをしながら進めました。気を付けた点は以下。

  • 何かのアクションをするときの課題として、そのときにどんな行動をしているかイメージしてもらう。
  • 分岐は作らず上手くいかないパターン(課題の大きいパターン)にしてもらう。

バリュープロポジションキャンバス

顧客の情報を得られたので、顧客の課題と感情に対する解決策を考えるようにします。

顧客のしたいことから提供する製品が出すぎていて絞るのに時間がかかりました。 本番だったら複数作るビジネスモデルキャンバスを、流れの理解のために1つに絞って作ってもらうだけなのでドット投票で選んでもらいました。 時間をかけずに意見をある程度反映するにはドット投票が良いのかも。

このあたりでユーザが本当に欲しいのは何かなっと考えてみるのが良いかもしれません。 題材として「女の子とお近づきになれない」というものでしたが、ジャーニーマップから感情の上昇・下降部分を書き出していたら、 「ネット上で仲良くなった女の子に会いたい」っていうよりも、「ネット上で女の子との恋愛を楽しんでいる」ように感じました。

ビジネスモデルキャンバス

バリュープロポジションキャンバスで作ったVPを元にしてビジネスモデルキャンバスを作ってもらいます。 ここは、POStudyでもアドバイスのあったとおり、最初はどこに何を書くか覚えられていないので、各項目に書く内容を日本語で書いてもらってからスタートしました。

課題を掘り下げると原因が金銭面だったので難しいパターンであった。 質問として、「お金が無い人からお金を取るのは変ではないか」という話があった。 「BtoBtoCビジネスにすることで回避できるのではないか」と話をした上で、 複数のロールの顧客を抱えると複数のビジネスモデルキャンバスを書くようにすると伝えて、 時間進行の関係でユーザからのみお金を貰うプランにしてもらいました。

ビジネスモデルは、複数作成し一番良いものから次のフェーズに進めて検証していくという話をした上で、今回は1つのビジネスモデルに対して考えてもらいました。

実際にやる場合には、ビジネスモデルキャンバスの作成後に、次のフェーズに進めるまえに検証を行なうと伝えた上でワークを行なってもらいました。 質問として「検証部分は、どこから行なうのか」とあったので、「リスクの大きそうなところ、収益モデルにリスクがあると思ったら収益モデルが上手くいくかの検証、 ユーザの導線にリスクが高いと思ったら導線の検証をする」と伝えた。

参加者の構成のほとんどがエンジニアだったため、ビジネスモデルを考えるときに誰も収益の方法が思いつかないという問題が発生して時間が消費されてしまいました。 こういうときのために、複数のビジネスモデルを頭の中に入れておかないといけないですね。ビジネスモデルが作成できない。 ビジネスモデルを普段から意識している人を参加者に加えたいです。

ユーザーストーリーマッピング

作成したビジネスモデルをもとに、ユーザーストーリーマッピングの作成をしてもらいます。

エンジニアが多かったのですが、事前に何度か「機能ではなくって『役割として何ができるか』」ですよと念を押したため、 参加者同士で、「その付箋、ユーザストーリーになってないよ」と指摘し会えていたのが良かったです。

ビジネスモデル作成に苦戦していたもののエンジニアが多かったことと、1人の参加者にはMVPレビューをしたことがあったためか、 盛り過ぎのMVPにならずに一回で綺麗なユーザーストーリーマッピングをすることができました。

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まとめ

今まで、ワークショップ形式の勉強会をやったことが無かったので講師として学んだことを残しておきます。

意識したのは、ツールの使い方よりもなぜ使うかや、本来の業務で取り入れる場合には間に検証を含めることを伝えるようにしたことです。 フルに新規事業立案をするとこれだけの検証を行ないながら進めると効率が良いので次回開催お願いしますといった感じで説明しました。

何度か途中参加があったため、中断して最初から参加していた受講者に説明を代わりにしてもらうことで理解度を確認しながら進めることができました。

ビジネスモデルキャンバスを複数書くことも想定して、ビジネスモデルキャンバスの時間を多めに取るのもありかなっと思いました。 対象が1ロールだと、ビジネスモデルキャンバスも楽ですが、ユーザーストーリーマッピングも楽ですよね。時間に余裕があれば、参加者の人には難しい方を体験してもらっておくほうが応用時に困りづらそうなので2ロールでやってもらいたい。

参加者から鋭い質問が出ていたので、講師側でも毎回メモを取るようにした方が次回移行の開催を改善するのに使えると思いました。

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感想

自分よりもかなり年上の役員の人が参加するので緊張しましたが、良い訓練になったと思います。 自分があまり困らないで進めてきたことに対しては、その場で対処しないといけなかったので勉強になりました。