読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ユーザビリティエンジニアリング累計1万部記念読書会に参加しました

概要

楽天で開催されたユーザビリティエンジニアリング累計1万部記念読書会 に参加しました。 参加者は20人程度で、樽本さんの解説含む楽天のリサーチルーム見学会に、ユーザビリティエンジニアリングのアップデート情報、 川口さんからの、最小限の実用製品を考える際に役に立つ、ユーザストーリーマッピングのお話があった。

内容

リサーチルーム見学会

楽天のリサーチルーム見学が行なわれた。被験者の挙動を確認するテストルームと施験者側が議論するリサーチルームの2つを見学した。 マッジックミラーを使ったものではなく、テストルームに仕掛けたカメラの映像をリサーチルームで確認できるものであった。 映像としては、カメラと画面の録画ができるようになっており、 テストルームの上部には、防犯カメラのようなものが2つ付いていて、ユーザの手元の動作までアップにして写っている文字が分かるものと、 画面を機材につなぐ事で画面のスクリーンが常に分かるようになっている。また、机の上には15万円の高価なカメラが置かれていて会話が全て録音できる。 リサーチルームには大きいディスプレイがいくつもあり、それぞれの画面をカメラやスクリーンに切りかえられる。ヤフー、LINEも殆ど同じ機材があるらしい。

樽本さんの「アジャイルな書籍の執筆」

アジャイルな書籍では、樽本氏が過去に4冊執筆を行なった経験を元に、失敗した事例と、成功した事例のお話があった。 失敗した事例では、1冊目の「ユーザビリティエンジニアリング第一版」の執筆時の話であった。 書籍を先頭から書いていく方法でスケジュールも先に6ヶ月くらいだろうと机上の空論から始まった。 結果的には6ヶ月では半分しか終わらず、1年以上を費やしスケジュールの最後の方に一気にがんばって終わらせた悲劇のストーリーだった。

成功した事例では、「アジャイルユーザビリティ」と「ユーザビリティエンジニアリング第二版」の執筆時の話であった。

アジャイルユーザビリティ」の執筆時に注意したことは以下。

  • 1つの章は小さく25ページ程度
  • 2週間イテレーションで執筆
  • 1章から書かない
  • 大切な3-5章を書いた時点でワークショップを実践して価値の検証
  • 残りを書く

ユーザビリティエンジニアリング第二版」の執筆時は第一版の内容を使える部分もあったため、新規執筆部分にリスクがあった。ので、最もリスクの高い章から埋めた。執筆時に注意したことは以下。

  • 小さい単位(「節」レベルで計画)
  • 2週間イテレートンで原稿を納品
  • 頭から書かない

これが上手くいき、計画的に進めることができている。

樽本さんは、インクリメンタルに書籍執筆を行なったそう。 (参考:モナリザを使った インクリメンタル(漸進的) と イテレーティブ(反復的) の説明 - kawaguti の日記 (id:wayaguchi))

樽本さんの「RITEメソッド(Rapid Iterative Testing and Evaluation method)」

トゥデイ+ ユーザビリティエンジニアリングのアップデート情報 - 米マイクロソフトのゲーム部門で確立した手法 - 問題発見の精度よりもUI改善に - 縦軸に効果問題と効率問題をプロット - 横軸に人をプロット。

  • 今までは、5人×3回のニールセン的な方法
  • RITEでは、最初は短いスパンで修正して感覚を広くしていく

背景:問題発見と問題解決に壁があった。

詳細はこちらに。人机交互論: 軽量なテスト手法

樽本さんの「リモートリサーチ」

リモートリサーチは、アプリのユーザテストを手軽にする会社。

実際にアプリを使おうとした人に対してプラグインから情報取得して、情報を貰ってプラグインからユーザテストを行なう。

シリコンバレーで導入されている「リモートリサーチ」とは?|UX Days Tokyo 2015

1万人に表示して実際にテストできるのは6人。

PCをハグしてインカメで手元を撮影 + Skype or Hungoutで遠隔地で情報取得。 顧客開発と違ってユーザテストは、日頃の動作を聞くなどではなく問題なく利用できるかなので、 自分達の想定しているものではなくても、ルーズなリクルーティングで大丈夫。

樽本さんの「VPキャンバス」

内容はほとんど以下の資料と同じであった。
価値提案キャンバス(Value Proposition Canvas)

Amazon.co.jp: バリュー・プロポジション・デザイン 顧客が欲しがる製品やサービスを創る: アレックス・オスターワルダー, イヴ・ピニュール, グレッグ・バーナーダ, アラン・スミス, 関 美和: 本

川口さんの「ユーザーストーリーマッピング

製品の設計で、ユーザワークフロー、リリース計画を全部一発で見える化する手法である「ユーザーストーリーマッピング」についての説明であった。

発表はこちらの資料を使ってであった。 User storymapping in 10 minutes http://www.slideshare.net/kawaguti/user-storymapping-in-10-minutes

  • 抜けもれを無くす。暗黙知を無くす。
  • 俯瞰的にみたり、粒度を変えてみやすい。
  • プロダクトバックログでは、抜けおちてしまう情報を保持できる。
  • 「ああ、あそこの情報ねってなるようにしておく」

質疑

これって1つのプロダクトが決まったあとにやっているのか。複数のプロダクトのアイデア、みんなが良いとおもったものを。(トップダウンなのかボトムアップなのか)

1つのプロダクトが決まってからでもいいし、思いついたままに書きだしていってもいい。 マップができればいい。みんなができあがることが大切

細かいやりかたまでは指定されていないらしい。

まとめ

中1日で樽本さんと会うびっくりな予定だったが非常に勉強になりました。 RITEメソッド、リモートリサーチの内容は、すぐに使えるフェーズではないため もう少し後のフェーズで利用する予定です。 VPデザイン、ユーザストーリーマッピングは、ソリューションのイメージを作るところからスプリントに落すところのスプリント0ですぐに利用できる知識となって非常に有用でした。 同じフェーズの仲間が多いため、後日仲間に対してVPデザイン、ユーザーストーリーマッピングを発表することで理解が深まった。