女性ファッションとIoTのアイデアソンで優勝して考えたこと

概要

女性ファッションとIoTのアイデアソン Fashion Tech アイデアソン <G's ACADEMY × IBM × Samurai Incubate>に参加して優勝した。 イベントは3時間程度で、初対面の3~4名で発案から資料作成してプレゼンするというものであった。今回は、アイデアソンにおいて工夫した点と、フローについて記録する。

メンバ

  • 女性向けサービスベンチャーのCEO
  • スタートアップ志向営業
  • リーン志向エンジニア(自分)

くじ引きで決まったメンバーだったが、後から考えるとバランスが良かった。

フロー

事前情報収集

自分は、事前の情報収集としてIoTとファッションについて雑誌から情報収集を行なった。 IoTに関しては、バーバード・ビジネス・レビューに目を通し、IoTの最新事情や今後の動向について確認した。 アイデアソンのための情報収集ということで、実現が難しいが派手な技術について注目した。 「掃除機からバクテリアを分析して、クラウド上のデータと照し合せる」というアイデアが特に記憶に残った。

ファッションに関しては、20代前半くらいの女性が読むであろう雑誌を4冊確認し、傾向について確認した。 「着回し」については、複数の雑誌のコンテンツになっていて、記憶に残った。傾向をおおまかに掴んだ。

参考

事前インタビュー

女性のファッションへの価値観が分からなかったため、アパレル店員をやっている女性に簡単にインタビューした。

ファッションをしていて嬉しいエピソードを3つ順番に上げてもらったところ以下のような回答を得た。

  • 流行のメイクをして褒められたとき
  • 流行のものを身に付けて他の人から見られてることを感じられるとき
  • 流行りものを身に付けていてそれを褒められるとき

嬉しいことを聞くと「流行」を身につけて評価されることが大切だとのことであった。 褒められる場合も、特に同性のファッションにこだわりのある人からの反応が嬉しいとのこと。

服装を決める流れについては、以下であった。

  • その日の予定(誰に会うか)を考えながらメイク
  • メイク中に服装やアクセサリをコーディネートを考える
  • 着てみて確認する

他には、以下の意見を得ることができた。

  • 欲しい服や買った服はツイッターで友達と共有する
  • 常に10着以上のスカートやワンピースなどなどがクローゼットに入っている
  • 服は流行が終わって他の人が着ていなかったら着ない
  • 高いものと安いものを組み合わせてファッションする

インタビュー共有

事前準備として行なったインタビューについての共有を行なった。

ソリューションのアイデア出しと共有 30分

各自、自分の持っている情報からアイデア出しを行なった。 形式としては、課題とそれを解決するソリューションの対で発表した。

以下のようなものがあった。合計で20個ほど。一部抜粋すると以下である。

  • 褒められた時間と服装の記録するペンダント
  • 服の自動売買クローゼット
  • メイク手順のレシピ化による共有をARを組み合わせて試着できる鏡
  • 鞄の中の可視化
  • センサで髪の温度を測りながら温度を調整してくれるドライヤー

ソリューションインタビュー 15分程度

メンバが全員男性のため、事前にインタビュー要員として協力をお願いしていた女性にインタビューを行なった。 全てのソリューションに関して発表し、選んだものに関して課題を聞いた。結果として選ばれたものは、温度調整ドライヤとAR鏡であった。

チームでは、題材であるIoTに継げやすいドライヤを最終的に採用した。(鏡だとディスプレイとカメラで良くない?)と思った。 そして、審査員が女優の池澤さんだったため、綺麗な人にも共感できる課題はメイクよりもヘアケアだろうという観点も含まれる。 「審査員」と「評価基準(革新性、ビジネス実現可能性)」についても考慮して決定した。

追加で髪に対する課題インタビューを行なったところ出てきた課題は以下であった。

  • その日の湿度に応じて髪型やコテの温度を変えないといけない
  • 美容院にいっても思い通りにならない
  • 髪のダメージが気になる

ソリューションのブラッシュアップ 30分程度

次に、ドライヤーのソリューションのブラッシュアップを行なった。 方針としては、「一番のウリになる特筆する点(UVP?)」とインタビューで得られた「課題」を解決することを念頭に、 「審査員」、「評価基準(革新性、ビジネス実現可能性)」を意識した。

女性がターゲットということで、面倒な行動はオマケにして最低限使うだけにすることにこだわった。 そして、提案された原案のアイデアを元に、追加したら嬉しいであろう機能を考えた。 一番のメイン機能は、 「ユーザは面倒臭いことは一切なし使うだけで、 ドライヤやコテを使うだけで個人の髪質情報を解析、クラウド上に蓄積されデータと結びつけて分析されて適切な処置をする。」というもので、 女性が持っている各課題に関しては以下の対策を考案した。

  • 「天候に応じた施術」については、「天候に応じて温度変化」
  • 「美容院で思い通りにならない」について、「個人の髪質データを美容院に出すことで適切な施術を」
  • 「髪のダメージが気になる」について、「髪の状態を毎日チェック、その人に合った適切なヘアケアアイテムを紹介」
  • スマホと連携して、その日の気分で変えたいヘアスタイルへの支援」

最終的には、「センサで髪の温度を測りながら温度を調整してくれるドライヤー」から大きな進化をして良いアイデアが出来たのではないかと思う。

資料インタビュー

提示している課題と解決作の流れが感覚とズレていないかをソリューションインタビュー時に協力してもらった方に確認しながら進めた。 今回は、問題なく一致していたため、修正していない。

発表

営業職の方が、ウリになる部分を強調して、技術的にすごい部分などアイデアのアピールしてくださった。

まとめ

ozarnさんの話を聞いたときに覚えていること。 「上手くいったときはどうして上手くいったのか分析しろ。他の人にも分析結果を見てもらってフィードバックを貰え」だそう。 なので、自分なりに今回の反省と分析をする。(フィードバックもらってないけど。)

分析

顧客に聞きながら進めたことが効果に継がった。早い段階でフィードバックを貰えて質を上げられた。 今回は、事前に顧客インタビューから分析まで行なったものの、発想まで役立てられなかった。 あまり顧客が課題に感じていなかったことを解決していたことが原因かもしれない。後から振り替えると不十分な部分もあるので次回以降には改善したい。 元アイデアを出した方が、普段からターゲットの女性に対するサービスを考えている人だったので、普段からユーザのことを考えて価値観を掴みとっている。 事前調査でIoTについての調査は、ソリューションを良いものにするのに非常に役に立った。 上手くユーザ中心、技術中心、評価中心のバランスをとったソリューションに仕上げられた。

感想

イデアを出すためには、ユーザはもちろんのこと、その分野の常識や仕組みや既存サービスなどは理解する必要があって、良いアイデアを出すことは非常にコストが高いので数を減らして1つあたりにかけるリソースを増やしたい。 最新の技術を学ぶことで、技術中心設計で良いアイデアを出すことができそう。概要レベルから知れる技術について解説している雑誌は時間コスパが良かった。

良い学びになって良かった。今後も顧客に問いながら進める手法で進めたい。