自己肯定感の研究についての調査

自己肯定感に関する調査として簡単に調べた結果をまとめる。

社会心理学では、自己肯定感が低くなる要因分析や、自己肯定感の計測に注力されていた。臨床心理学や精神医学では、自己肯定感の向上のための治療法?が考えられている。

要因については、親との関係や友人関係などの関係要因を調べている研究と、家庭の経済など環境要因を調べている研究があった。

自己肯定感の測定に関しては、下位の因子を見つけていた。たとえば、吉森,大学生版自己肯定感尺度の作成 ─ カウンセリングの立場を重視して ─,2015では、「存在の肯定」「安定した自己」「自信」「需要」などを挙げている。この要因と因子をまとめる事で価値ある尺度の一覧ができる。 1990年の平石先生の「青年期における自己意識の発達に関する研究 (I) : 自己肯定性次元と自己安定性次元の検討」が多くの論文で参照されていた。

自己肯定感をあげるというより、不要に下げている部分の軽減として認知行動療法などが対策としてあげられているのではないか。 事実を変えずとも、認知を変える事でもっとも容易に治療が行える。 患者に対して他者からの需要などの、重要な要因を向上する何かの行動を促す動機付けでも効果があるだろう。しかし、本人が受け入れられないことを考えると、認知を変えることは必須になってくるのではないだろうか。

責任範囲と感謝に対して考えてみる

自分が開発をして障害が発生していたので修正したことがある。 運良く上司と連絡が取れて、相談しながら対応することができた。 そのとき、自分は上司に対して感謝の気持ちを持ってお礼を言っていたし、上司は自分に対してお礼を言っていた。 ここから、お互いに相互に感謝していたと考える。

お互いに感謝する状態とは、理想的だがどんな条件で発生するのだろうか。

他にも、お互い感謝している状態でいうと、こんな場合が考えられる。夫婦、スポーツの選手と監督、発注者と受注者。 しかし、同じことをしているように見えても、感謝する人と感謝しない人がいることも経験からおかしくない。

そこで、今回は感謝を感じるメカニズムについて自分なりに仮説を考える。

開発において、上司と相互に感謝していたことに関して考える。そのときの上司には、トレードオフの判断を仰いだことと、上司から気持ちを考えた声かけを受けた。 自分は、開発をしていたのは自分であるから障害は自分の責任だと考えた。だから、自分が1人で対応するのが当たり前のところを相談したり、声かけをもらえたと感じた。自分の責任範囲でやらないといけないと思っていたことを手伝ってもらえた、と感じたのではないかと考えた。(感じたのではないか、といのは、自分で変につじつまを合わせるための感情を持ったのではないかとも考えて、念のため)

勝手な推測だが、上司からすると部下の責任範囲も対応がなければ、自分が対応しないといけないと考えると、部下の責任範囲は上司の責任範囲に含まれる。そこで、部下が対応することで、自分の責任範囲のことを手伝ってもらえたと感じるのではないだろうか。

責任範囲で考えたとき、部下の責任範囲は部下がやって当たり前だと考えている人からすると感謝は生まれないのではないか。

自分の責任範囲のことをやってくれたと思うと、感謝を感じるのだろうか。 であれば、責任範囲が重なると、協力してこなすと相互に感謝になるのだろうか。

ここでいう、責任範囲とは、何かに対する当たり前の担当範囲と考える。 当たり前と感じる心理的な要因や、当たり前の基準の変化についても調べてみたい。

仕事で新たな挑戦をするときの不確実性について考える。

仕事でこれまでと違う職種に挑戦することがあるが、未経験分野に飛び込むことは入社後のギャップに悩まされることも多い。

そのため、不確実性について、どんなところがギャップになりやすいか自分の

これまでの自分経験だと、過去の記事に「プログラミング」を適職だと考えて勘違いしていたことが挙げられる。 俯瞰して考えると、これは楽しいと思ってやったことに不満を感じたことで因果関係を明らかにしている。

この後、自分は「開発プロセス」のドメインの仕事が好きである。それをやると楽しく働けるという仮説を持っていて、その後二つの仕事をすることになった。

好んでいる開発プロセスに関わらせてくれるとの事で、仕事をした。しかし、オーダーが工夫をせずに早く言われたことを仕上げることを希望されたので、楽しく働くことはできなかった。

逆に、未経験で興味があった分野でもない採用についての意見を聞かれた時、心理学的な知見に沿って相手のトレードオフを促進できた。

ここから、ドメインよりもある程度自分の裁量を持って、どう進めるかを考えることに興味があるのではないかと考えている。

たまたまチャンスがあった二つの仕事だが、自分で仮説を持っていたため、検証できた。

これは転職せずに仮説を検証しているため、違った時の深刻さは、そこまで大きくなかった。しかし、他の人に話を聞くと、自分では想定していなかったギャップは多く存在する。

たとえば、プログラミングが好きだと思ってたら少人数の精鋭チームとして開発するのが好きで、大規模組織だと魅力を感じないのように。

これは、最近見た秘書問題に近い考え方をするのも良いかもしれない。

プロフェッショナル仕事の流儀をみて学んだ投資的な思考

アマゾンプライムで配信されているいくつかのプロフェッショナル仕事の流儀の動画をみて、何人かの成功者が投資していることが確認できた。 人により、さまざまな投資の形があるが、細かい考察はせずに紹介していく。

石井 裕  コンピュータ研究者 出過ぎた杭は誰にも打てない

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石井さんは、仕事で思うような研究ができなかった。そこで、会社員をしながら、友人と研究をしていた。 数年後、発表した研究の内容が認められて、研究関係のオファーもらって、研究を仕事でできるようになり、のちには頂点とも言えるMITで研究できるようになった。

山口千尋  靴職人 挑み続ける者だけが、頂に立つ

https://www.amazon.co.jp/dp/B00GUMZ5DO

山口さんは靴を作る仕事をしていたが、本場のイタリアで技術を学ぶべく修行しに行った。イタリアでは技術を身につけ、日本人初の靴職人の認定を受ける。 しかし、日本に帰ってきても、日本の市場は大量生産で安く作ることばかりで、どこの業者も相手にしてくれなかった。そのため、自分で展示をして靴を売る場所を作った。そこにきてくれたお客さんが、気に入りそこからお客さんが増えてた。のちに、自分の靴の会社を作り、高級な靴を販売する人気店になる。

仕古野隆雄  農家 失敗の数だけ、人生は楽しい

https://www.amazon.co.jp/dp/B00GUMZ534

仕古野さんは、無農薬農法を目指して何年もいろいろな方法を試す。 しかし、それらは上手くいかず、収穫量が確保できないため、生活も危うい状態になっていた。それでも、無農薬農法を求めて色々な手法を探しては試すの繰り返しをしていた。 ある時、他の県で合鴨農法を取り入れているのを知り、自分でも導入。野犬やカラスにカモたちが狙われるたびに対策をして、工夫を繰り返し、生産的に米を作ることができるようになった。 のちに、多くの研究者が訪れる先端の手法を使った農法になり、スイスの財団から、世界で最も傑出した社会起業家の1人として認められる。

学べる漫画について調査した

読者の目的

大きな分類としては、読者の目的が娯楽なのか学びなのか

娯楽目的

娯楽目的では、ゆるキャン△焼きたて!!ジャぱんドラゴン桜ゴッドハンド輝、などの漫画としての娯楽要素を高めるためにテーマを扱っているものがある。 こちらは、対象読者層が広く、供給量が多いためか価格が比較的安い(1000以下)。

もちろん、こちらは実践することが目的ではないため、ドラゴン桜の東大受験や、ゴッドハンド輝の医学など、実践のハードルが高いものもある。逆に、ゆるキャン△のキャンプや焼きたてジャぱんのパン作りなど、実践のハードルの低いものは、それをきっかけに始めた人が比較的多数見受けられる。 扱われているテーマが趣味として成り立っているのか、職業(受験)なのかによってその後の行動に影響が出るだろう。

漫画だけではなく、ドラマでも同様である。作品をきっかけにして目指す人が出てくる場合もあるようである。 検察を取り扱ったドラマHEROでは、文科省が道徳教育とコラボしてポスターを学校に貼ったりしていた。

多くの動機付けと、少しの知識が含まれていて楽しく実践できるよう。また、その知識の部分に興味がないと読み飛ばしてストーリーだけでも楽しむことができる人もいるだろう。

学習目的

学習目的では、大学4年間の経済学がマンガで学べる、、マンガでわかる7つの習慣、まんがで変わる! 仕事は楽しいかね?、まんがでわかる自律神経の整え方、などの学ぶことを目的として、障壁を減らすために漫画が使われている。 テーマに関しては、一般用語として学問やキーワードを扱っているものや、特定の名著をテーマにしたものがある。

比率

比率も作品ごとに異なる。目的の項目で分けた娯楽目的のものは、確認した作品はほとんど漫画のページばかりであった。

学習目的のものは、作品により比率が大きく異なる。漫画が大半の作品から、漫画が一部のページだけのものが存在する。

漫画の比率が多いものは、漫画の中で説明をしていて、少ないものはどんな場面で使えるかのケースを説明した後に、活字や図解で説明をしている。

後者の漫画が少ないものは、動機付けを漫画で行い、知識は活字でしているようである。

密度

密度についても、目的ごとに大きな差がある。

娯楽目的の書籍は、専門知識も紹介するが一話あたりに数ページの知識が紹介されていて、比率としては1/3を超えないものが主になる。また、ストーリーに対して必要な場面で知識が紹介されていて、知識が出てくることに対する違和感が少ない。

学習目的のものは、密度が高く読むことに対する負荷が高いようである。漫画で学べる本を買う読者は、読む負荷を減らすことが目的のため、密度が高すぎると期待とズレ不満が発生するようである。 https://www.amazon.co.jp/product-reviews/4046017201

学習目的書籍の形式

ほとんどの漫画で、詳しい人と詳しくない人が出てきている。詳しい人が詳しくない人に教えているところを見て学ぶスタイル。

感想

娯楽目的書籍をきっかけに、どんどん学び始める人がいるのも確かで、動機付けを強くすることで知識を教えることよりも大きな成果に結びつく事もあるよう。 これは、読者それぞれの能力によるものや、これまでの生活において、そのテーマ学ぶボトルネックがどこであったかにもよるのであろう。

学習目的の書籍は、大学生など、それを学ぶことが強く動機付けされている人に適するのではないだろうか。

コーチングのコスト戦略について考えてみる

15分や30分の無料コーチングだけで満足させる人がいる。 それは、でも本当にその人の価値につながっているんだろうか。

受けないよりはいいが、継続して長時間探求することが重要ではないだろうか。 そんな短時間で、その人の本当に大事な価値につながるだろうか。

コーチングは、相手の課題を内省を支援する。しかし、時間が短いと、自己や課題について深く探求することが難しい。

例えば、「今後はどんな食生活にするのが良いのか」というテーマで考えた場合、どうしてそのテーマについて考えたいのか、自分にはどんな価値観があるのか、食生活に影響の大きい要因はなんなのか、など、整理しないと解決につなげるのが難しい。 目的は、食費を減らすことか、健康にすることなのか、落とし所を考えるときに何が重要なのか。

ここは、課題や価値観をどこまで深掘りするかの、深く掘った分だけ精度が高くなるのではないかと思っている。

医者でいうと、どんな検査をするかという話である。

血液検査はすぐにでないし、お金もかかる。 MRIより、レントゲンの方が安価で早い。

しかし、同じ結論になる場合ももちろんある。精度を上げているのである。 MRIを受けてみないとヘルニアですと角度を持てないが、ヘルニアの可能性があるから安静にするってことで安静にしたら解決することもある。

そこから考えると、コーチングの結果をどの程度の精度で求めるのか、どのくらいコストがかかるのかの認識を合わせていけるのが良いのではないか。

その分野について、ある程度経験してくると大まかな見積もりを出してコース料金というのも提示できるだろう。

モチベーション理論を現場で活用している例 星野リゾート 星野佳路さん

仕事の流儀に星野リゾートの星野佳路さんが出演して、リゾート再生をした話が紹介されていた。 タイトルは、「”信じる力”が人を動かす」だった。DVDがこちら文字起こしされて、一部追加されている電子書籍がこちら

モチベーションを高める工夫をいくつも実施されていたので、理論と対比しながらお伝えする。

事例と理論の対比

「決めるのは社員」 「主人公は社員」 ── 星野の哲学は、経営判断を下す場でも変わらない。 『星野リゾート』の場合、通常の会社では役員会に当たる会議に、フロント係でも営業マンでも、社員なら誰でも参加でき、発言できる。  毎月行われる定例の「戦況報告会」で、紛糾した議題があった。ホテルの宿泊料金の見直しである。  料金改定チームが出した提案に対し、反対意見が続出した。料金の改定は、リゾート経営にとって重要な課題。しかし星野は、自ら判断を下そうとはしない。結論は、社員同士の議論に委ねる。 「どうしますか?」  議論の最中、星野は何度も問いかける。弱気なわけではない。トップダウンではなく、自分たちで出した結論なら、社員も納得して頑張れるはず。だから、任せる。

最も正しいコンセプトをつくるよりも、どんなリゾートになりたいかということを社員自らが決めることのほうがすごく大事だと、私は思っているんです。つまり、正しさよりも、共感度の高さでコンセプトを選ぶわけです。

自ら決めるというのは、自己決定理論としても確立している、モチベーションを高める方法である。(Deci 2000)

リゾートでの仕事の場合、そこで働く人のモチベーションを上げるのは、まずコンセプトに共感していること、そしてもう一つは、お客様に喜んでいただくことなんです。

こちらで紹介されている「コンセプトに共感すること」と「お客様に喜んでもらうこと」

「コンセプトに共感すること」というのは直接的な理論としては、目標感染(Aarts, 2008)に関係するのではないかと思う。今回の星野さんの話でいうと、自ら決めることを補助するための手段として共感を大切にしているのでないだろうか。

「お客様に喜んでもらうこと」というのは、他者思考動機(真島 1995)が当てはまるのではないか。 他者思考動機は、「自己決定的でありながら、同時に人の願いや期待に答えることを自分に課して努力を続けるといった意欲の姿」モチベーションの12の理論では紹介されている。

具体的な例は以下のようなものではないだろうか。

子どもたちが「楽しい!」と笑顔を見せたときや、ご両親に「こんなにゆっくり食事をしたのは久しぶりです」と言っていただいたときに、スタッフのモチベーションはものすごく上がります。ですから、お客様に褒めていただくことで自分たちのやる気を維持している、という面もすごくありますね。

私がここ一五年ほどで学んだことの一つは、やはりお金はモチベーションを高めるものにはなりきれないということ。一方、仕事の楽しさはモチベーションアップにつながります。

こちらでは、お金と仕事の楽しさを比較しながらモチベーションについて言及している。 モチベーションの理論としては、お金は外発的な意欲を高める効果があるのだが、星野さんの何らかの経験から、お金をモチベーションを上げるために使うのは有効ではないという考えの表れであろう。お金に関しては、短期的な成果に関しては利用できるものなので、適切に付き合っていきたいところである。

生き生きと働く従業員の姿を見て、星野の中に一つの確信が芽生えた。 任せれば、人は自分で考える。そして、楽しみ、動き出す。

この「任せる」という方法こそが、仕事・マネジメントにおいて自己決定を促す方法であろう。 また、任せられることに関しては、他の心理的な効果も期待できるのではないかと考える。

星野さんの経営哲学

経営として、お金を儲ける仕組みはいくらでもあるだろうが、星野さんの経営哲学というか、重要な価値観として以下のようなものがあるからこそ、今回の従業員のモチベーションを上げるという方向に進んだのではないだろうか。

スタッフが楽しんでくれているかなということはいつも考えていますね。それは、私にとって一番重要なことなんです。

たくさんの社員から「あの人と仕事ができてよかった」「あの人が社長の会社で働けて楽しかった」と言ってもらえるのが、私は一番うれしい。それが自分のめざす姿なのかもしれません。

参考文献

その他の気になったところ

プロセス主義として、プロセスに注目していることも有効な手法であることを解明したい。

その結論が正しいかどうかは、ビジネスの世界においては、ある意味、誰にもわからないんです。「やってみないとわからない」という部分がすごくある。だからこそプロセスを大切にするということなんですね。 その意思決定に至るまでのプロセスが共有されているということも大事ですし、論理的に構築されているということも大事ですし、必要な情報をちゃんと把握したかどうかということも大事です。そこのところを、私は確認したいんです。

以下のように休憩室で会社の批判として多いものをパターン化しているからこそ、それに適した組織体制にできるのではなかろうか。

私がこの業界に入ってからの経験によると、休憩室で社員が会社の批判をする内容というのは、だいたい二種類です。一つは、「なぜあの人のほうが給料が高いのか」。そしてもう一つは、「なぜあの人が自分の上司なんだ」。「あの人は現場がわかっていないし、本当にやるべきことをやれていない。自分がやったほうがよっぽどいい」ということです。